第2話 少女に少女が疼く-3
そこに映し出されたものに、女子高生2人は目を丸くした。彼女達と同年代くらいの少女2人が、それも、少しデザインは違っているが、同じようなセーラー服姿の少女が、女同士で唇を重ねているのだ。チュパチュパと押し付け合ったり、チュウチュウと吸い付いたり、レロレロと舌を絡め合ったりと、驚くほどに濃密で官能的なキスをしている。
媚薬にうっとりさせられていた2人は、そんな映像に目を奪われ、目を離せなくなり、前のめりになって映像に見入った。
テレビの中で、セーラー服姿の少女2人は、ベッドに倒れ込んだ。1人がもう1人の上に乗り、下になった少女のカラダの、あちらこちらに、舌を這わせ、テカテカした唾液の後を引かせながら、一方で器用にセーラー服を剥ぎ取った。
下になった少女の乳房が、上になった少女に舐め回される。乳首が吸われる。
レロレロ、ピチャピチャ、チュウチュウ・・
「あん、ああん、はあん」
TVからの映像と音は、早苗と瑞樹の衝動を掻き立てずにはいなかった。
「何これ?消せないの?」
「リモコン、無いよ。・・わぁ、凄い・・これ。」
TVを消そうとする試みは、ほんの一瞬視線だけを動かしてリモコンを探す、という行動だけで終了した。しばし映像に見惚れていた2人は、不意に視線を合わせた。
「え?」
「ううん」
「あ」
「ええ?」
目が合った瞬間に突き上がった衝動。そんな事、いけないと、抑え込む情動。相手の目の奥に、自分と同じ情動を見つけた衝撃。再び湧き上がる衝動。
「う・・」
「ええ?」
「ああ」
「そんな」
「でも」
少女2人の心中で、衝動と理性の激しい葛藤が展開する。互いの葛藤を互いに察知し、それがまた、新たな衝動を爆発させる。早苗の衝動が瑞樹に伝わり、瑞樹の理性を早苗が感じ取る。2人の衝動と2人の理性の闘いは、2分ほどに渡って繰り広げられただろうか。
最後に勝利を収めたのは、衝動の方だった。早苗は瑞樹に吸い付いた。早苗の端正な顔に備わった、薄く淡い唇が、ぽってりとした瑞樹の唇に、ムニムニと押し付けられた。
早苗と瑞樹は、壊された。