最終章 海女菩薩-19
月の明かりがお良と親子蛸の凄艶を厭らしく淫靡に照らすのであった。
太助は岩場の影からその光景を必死の形相で眺めていた。
母親が親子蛸に嬲られ犯される情景に肉棒はいきり立ち、
自分の右手でしごき慰め、情欲の獣となり叫んだ。
太助 (はぁはぁー、お母ちゃんが蛸に嬲られているよ。
親子蛸の触手吸盤に肉体を吸い付かれ、
蛸の助平な口と舌で体を舐められているよ。
あの優しい母ちゃんが悶えて、よがり声を出しているよ。
あの憎い羨ましい親子の蛸野朗。
お母ちゃんの肉体を蛸が美味しそうに貪りしゃぶっているよ。
ああぁー、俺の大切なお母ちゃんを畜生。)
と言いながら太助の右手はより激しく肉棒をしごき、
親子蛸と同じ様に何度も熱く濃い精液を肉棒から吐き出すのである。
そして、肉棒が萎え出すとあらためて、
お良と親子蛸の絡みを眺めては肉棒をしごき射精し続きえるのであった。
悲しいかな、太助は母親が犯される事を防ぐ事さえ出来ず。
若さゆえに母親が蛸に嬲られる姿に欲情してしまい。
太助の肉棒は萎える事無くそそり立ち続けるのであった。
その光景を洞窟の天穴から一部始終を覗いていた大きな影が、
その影の主は言わずと知れた長老蛸であった。
長老蛸は厭らしく微笑み呟いた。
長老蛸 (わしが描いた筋書きになったのう、お良さんと親子蛸の淫靡な性愛。
そして太助の欲情よ。
しかしお良と太助の母子は可哀想なぐらい哀れじゃ。
わしも罪深い嫌な爺だなぁー、
この好機と非情の心がなければ、わしの一生の願いが叶う事が出来ない。
許してくれ。
お良さんや太助にはすまないと思うが蛸爺の最後の望みじゃ。
只、気掛かりなのは、
この妖艶で淫靡な空気とお良さんが発する熟女独特の淫乱な香りを、
あの殺気だった性欲の塊の河童共に気付かれてしまう事がのう。
それで我らの住処が判ってしまい、お良さんを略奪に来るのが心配だ。)
長老蛸が淫靡な性愛を眺め呟いている時も妖艶な情景は進み。
長い時は親子蛸のお良に対する凄まじい肉欲を更に高めた。
女体を犯し嬲り蹂躙し続けてお良を昇天させる事が親子蛸の願いなのだ。
そして、お良の汚物は親子蛸の性欲を増進させるご馳走と成り、
小水は甘露な美酒と成り飲み干された。
お良も親子蛸に犯され嬲られ続けられたが女としての屈辱感も無くなり、
親方蛸に犯された時よりも、
命懸けで挑んできた親子蛸の快楽責めには天にも昇る気持ち良さを感じた。
夜が明け出す頃には親子蛸とお良は生も紺も使い果たした。
石畳の上は親子蛸のぬめりと汗と精液、そしてお良の汗と淫水で濡れ、
親子蛸とお良はぐったりとして身体を休めていた。
当然ながら太助もこの淫靡な妖艶な情景に欲情して、
精液が一滴も出ないくらい肉棒を慰めた。
太助は体力も精力も使い果たしてしまった。
石畳に横たわるお良に父蛸と息子蛸が頭を下げながらお良に礼を述べた。
父親蛸 (お良さん、わしらの親子の願いを聞いて下さって、ありがとう。
お良さんの優しさと慈悲深い心で一生味合えないと思った、
快楽を授けられ、天女の様なお良さんの肉体を思う存分味合えました。
これでわしらが親方から死罪を申し付けられても後悔はしない、
お良さん、わしら親子は覚悟をしています、どうか、
今夜、お良さんの肉体を凌辱した事を親方や長老に言って下さい、
わしらは進んで死罪を有り難くお受けします。)
お良 (何を言っているの、私はそんな事は望んでない。
私は親子の情愛と私に対する命を掛けた求愛に心を打たれたのよ。
そして私は身を清める時の子蛸の坊やとの約束を果しただけなの。
あなた達、親子蛸の命は私が命を掛けても絶対に守って見せるわ。)
親子蛸の目から涙が流れ、お良に土下座をして感謝の仕草をした。
そして父蛸が話す。
父親蛸 (わしらの親子は決してお良さんのご恩を忘れません。
今後、お良さんの身に何かあれば命を掛けご恩に報います。
いつでも、わしらに申し付けて下さい。
そして、今からお良さんを洞窟から宮殿の寝室まで抱き運びますから、
わしの太い触手に身体を任せて下さいませんか、
お良さんの精を頂いたので元気が出ました。
お良さんを無事に寝室まで運ばせてください。
是非お願いします。)
お良 (じゃお願いしましょうか、でも少し待って、私は裸なので着物を着ますから、まだふんどしも締めてないのよ。)
帯で着物を締め、ふんどしも締め付け終わって着替えが終わり。
お良 (それでは父蛸さんにお任せします。)
お良がお願いすると言うも早くにお良の身体を抱き上げ洞窟を出るのであった。
その後を追い駆ける様に太助も洞窟を後にした。
それを見ていた長老蛸はまた微笑みながら独り言。
長老蛸 (此れほどわしの筋書き通りに事が運ぶとは自分自身驚いたわい。)
長老蛸も洞窟を後にして宮殿に向った。
今宵起きた、妖艶で淫乱な空気とお良の淫靡な香りは遠く離れている。
河童の一族に嗅ぎ憑かれる事になるのであった。
第三部 完