打ち砕かれた家庭-1
「本当にいい加減にしてっ!!」
静寂で重たい空気を切り裂く母さんの怒号。
「…俺は、お前らのせいで人生滅茶苦茶なんだぞ?」
「何言ってるのよ、分けわかんない。」
電話越しに別れた父さんと夜な夜な通話をし。
「もう二度と私たちに近寄らないで!」と捨て台詞を言い放ち、乱暴に受話器を置く。
「……何でアイツなのよ。」
「母さん…。」
苦しそうな顔で電話を睨み付け、荒々しくも小さく見える母さんの背中に声を掛ける。
「…大丈夫、大丈夫だから心配しないで。」
「……。」
こんなの、酷すぎる。