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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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打ち砕かれた家庭-2

その嫌がらせは前の父さんが僕らを置いて一か月くらい経った頃だった、最初は無言電話に次は不気味なネズミやカラスの死骸を玄関前に置き、更には「このまま幸せに暮らさせるものか」などの脅迫文もファックスで送られ。

「それって完全にストーカーじゃない!」

いつものドーナツ店で若葉ちゃんにその被害を打ち明け、深刻そうに眉毛を立てそう言い放ち。

「最近様子が可笑しいと思い、母さんを問いただしたらそのストーカー犯が前の別れた父さんだって。」
「どうしてそんな事を?」

どうやら僕らを置いて別の地域に住み再就職をし地元の会社に勤めたみたいだけど、そこで出会った年下の女性と恋に堕ちたのだがそんな彼女を裏切り別の女とも付き合いつまりは不倫をし、そいつに高いバックや化粧品を買ってあげる為に自分を拾ってくれた会社をも裏切り会社の金を盗み、それがバレクビに、そして同時に不倫もバレ破局。自分の身勝手二つの物を失った奴はそれをあろう事か僕らのせいだと思い込み、今やどこに居るかもしれない状態からひっそりと復習と言う名の八つ当たりをし出して。

「許せない…。」
「若葉ちゃん。」

グラスを強く両手で震えるように握りしめ、顔がとても暗い。

「警察にはもう行ったの?」
「うん、八重樫さんが三人で行こうって。」
「それからどうなったの?」
「うん、警察も親身に耳を傾けてくれて、それからは嫌がらせはないけど。」
「けど油断は出来ないよ、その手のタイプは恐らくしつこいから。」
「大丈夫、八重樫さんが僕らを護ってくれるって。」
「へぇー。」

同じ男でどうしてこう違うんだろう。

「そんな奴、とっとと捕まって元の生活に戻ればいいのにね。」
「それがベストだよね。」

だと良いけど。


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