卒業-3
タクミがゴソゴソと
鞄の中を探る。
すると突然、
ちづるは真剣な顔をして
近い距離のタクミに言う。
「 タクミくん! ぁの、 」
「 んーー? 」
タクミは鞄を見ながら
返事をする。
「 ぁのっ!
ちょっと聞いて?
私、、 大事な話が、、
あるの。 」
「 ん? 」
大事な?
?
タクミは手を止めて
ちづるの顔を見る。
「ぁの、、ね?
私 ここの鍵は
ぁの 、、 」
〜っ なんか緊張する
どこから 話そう
「 ? ぁあ、
さっきの?
いや、冗談だってーー。 」
「 、、渡せない、、、
ぁ、、 私 」
「 ? ちづちゃん?」
「引っ越す から、、」
「 、 、 、、 ぇ 」
え ?
「 ぇ? 誰が ? 」
「 私、、、」
「、 、 、 、 」
「私、、ぁの、、
帰る事に しました。」
「 、 、 、 、」
タクミは、
驚いた顔をしてちづるを
見つめながらフリーズしている。
頭が、うまく回らない。
考えをまとめようと声をだす。
「、、帰る っ て 」
まさか
「 旦那の とこに? 」
「 ぇ? 旦那? って隆史?」
「、 、 、うん。」
「 ?
あっ! 帰るって、、
違うっ! 違くて、、!
実家に 帰るのです。」
「、、、 実家? 」
「うん。」
「、、、え?
でも、、そしたら
離婚 とか 」
え ?
まさか
もしかして
「ぁの、 、、うん。
離婚 しました。 」
「、 、 、 、、 」
タクミは、まだ驚いた顔をしている。
2人は
しばらく黙って見つめ合う。
先に
沈黙を破ったのはタクミだった。
「 ぁ、 あのさ 」
離婚
しました って
なんで
なんで
過去形 なんだ?
「 ぇっと いつ?」
「 え?」
「いつ 離婚 したの?」
「 ぇっ と、、。
1度だけ、隆史と、、
旦那と
ぁ。ううん、、元 旦那と
話し合ったの。
会って。 」
「 ! 、 、 、、」
1度 だけ ?
、 、! あぁ
それ
俺 見たやつだ
確か 駅の南口で
ちづちゃんは
気がつかなかったけど
「それで、、 うん。
離婚したいって、伝えたの。」
「、 、 、 、うん。
で? 」
「え?」
「実際に、、。
離婚したのはいつなの?」
「ぁ、 うん、、。
それからは結構スムーズに、、
あの、会わないで、
メールとかでやりとりして。
離婚届け 送ってもらったり
、、全部、 あの
やってもらった 感じで
だから、、 」
「、 、 、 、、、。」
「離婚したのは、、。
2月の、、終わり頃。
最後の週、だったと思う。」
「! 、 、、 」
近い距離で、
2人は見つめ合っている。
タクミは再び
頭の中が真っ白になり
一瞬グラリと目眩がした。