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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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卒業-2

インターホンが鳴ると、
ちづるはタクミを迎え入れる。

ちづるは
上は知可子にもらった
白いニットを着て、
下は紺色のスカンツを履いていた。

髪はハーフアップにして
ピンクの髪飾りをつけている。

廊下でちづるの
後ろ姿を見たタクミは
その髪飾りを見て
去年の夏の事を一瞬、思い出す。

2人は部屋に入ると
タクミはソファーに座り、
ちづるは台所に立ち紅茶を入れる。
ちづるが言う。

「卒業式、どうだった?」

「んー? 別に。
   普通だったよ。」

「えぇ〜?
 もっと何か、こう、、。
 最後って思うと
 寂しくなったり、しなかった?
    あ、 泣いた?    」


「 ふっ 泣いてないよー。
 まぁ、
男なんてそんなもんじゃない?
 女子は泣いてる人
    いたみたいだけど。 」


「えー?そうかなぁ。
 友達も?
  あっ! 健君は? 」

「全然、普通。
 今度飯行こう、って話しただけ。」


ちづるは紅茶を入れながら
タクミに背を向けて話続ける。

「お母さんは?
  来たんでしょ?」

「 あぁーー、、、。」


タクミが苦笑いをしているのを、
ちづるは背中で感じ取る。
タクミが言う。

「親は、泣いてた。
 なんかー、、 引いたわ。」

「えぇ〜?
 ふふ 引かないでよ。
 感動したんだよ、きっと。」

「でも周りの親とか、
泣いてる人たぶん居なかったし。
 っつーか、普段家にいなくて
 あんま会わないのに。
 よく泣けるよなぁ、 と。 」

「、! ぁはっ  」


ちづるが笑いながら
ソファーの前の
テーブルに紅茶を運ぶ。

タクミの隣に1度座るが
「あっ、、そうだ 」と言い
すぐに立ち上がる。

1度寝室に行き、すぐに
戻ってきた。

ちづるは手に
ブルーの小袋を持っている。

小さな袋はゴールドのリボンが
ラッピングされていて、
すぐにプレゼントだと分かる。

ちづるは再びタクミの隣に座ると
その袋を差し出して言う。

「これ、、。
たいしたものじゃないけど、、
 ぁの 卒業、、おめでとう。」


「 、、ん  
   ありがとーー、、。」


ちづるは
はにかんで笑顔になりそう言った。

タクミは
少し照れたようように目を伏せて
そうお礼を言った。

「あけていい?」と
タクミが聞くとちづるは
「うん。」と頷き、
タクミは袋からプレゼントを
取り出した。


「、! ぉーー!
   キーケースだ〜」

プレゼントは、
ダークグリーンの皮の
キーケースだ。

タクミは、
キーケースのボタンを外し
中の金具を見ながら言う。

「ありがとー。
なんかカッコい〜。
 そういや俺、キーケースって
   使った事ないかもー。  」

「ふふ、、うん。
   知ってる。 」

「なんか
  大人になった気分〜。」

「 ふふっ 」

「免許も取りたいし、
そしたら車の鍵とかにも良いかも。」

「 うん。」

「、、、ぁ、。
  ちづちゃんチの鍵も欲し〜」


「 んっ? 、 え ? 」


「ここの鍵〜。
 なくした、とか言えば
作ってもらえそうじゃね? 
       市営って。 」


「 ! 、 、 、、」 


「 困ってる〜
    ふふっ  
        あ、 」 


  そうだ 

    俺も プレゼント 



タクミは、
ソファーの横に置いた学生鞄を
ゴソゴソとあさる。


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