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《見えない鎖》
【鬼畜 官能小説】

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〈蜉蝣の飛翔〉-14


(………何も無かった……)


充分な時間はあったはず。

それでも兄弟は忍び寄りもせず、襲い掛かろうともしなかった。


(英明さんが守ってくれたんだ…ッ)


あの仲の良い会話を聞かされた兄弟は、“姦してやろう”という意欲を削がれたのかもしれない。

どうせ彼氏なんかいないという考えが外れ、〈男の影〉があると分かって恐れたのかもしれない……。


花恋はベッドの中で着替えると、急いで学校へ向かった。

大好きな英明がいる。
頼もしい彼氏がいる。

昨日よりも気持ちが強くなっていた花恋は視界に入った英明に飛び込み、思いのままにくっついた。


「ねえ、日曜日どこに行くの?」

『う〜ん。今考えてるのはさ……』


もう涙は無い。
悪夢のようなレイプ以前の明るさを取り戻した花恋は、英明との時間を共有し、友人達と楽しく笑い、授業にも集中し、ワクワクで溢れている休日に思いを馳せて一日を終えた……。


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