鏡-2
「ぃゃ…」
自分の乳房が醜い姿で彼の目に晒されている…鏡に映った姿にどうしようもない羞恥が押し寄せて、目を閉じてしまう。
「見てろと言っただろ？」
彼の声にまた目を開く。
次に彼の手は大きく割り開かれた足の間に延びた。
秘所を隠している布地の上で何度か指を往復させる。
「ん…ふっ…」
甘い疼きに声を漏らす私。
パンティーの隙間から指を差し込むと、彼はグイッっと上に引き上げた。
「！！」
柔らかく敏感な部分に容赦なく食い込む布地。
「い、痛っ…」
それでも彼は止めなかった。グイッ、グイッ…だんだん力を込めてゆく。
「く…ぅっ…」
鏡に映る私は苦痛に顔を歪ませていた。それとともに映る秘所は真ん中で半分にわかれた丘のようにプックリと二つに膨れ、茂みを見せていた。
彼の指で持ち上げられた布地がグイグイ押し上げられる度に、丘の形は変わり膨らみが高くなる。
「ぁ、ぁ、ぁ…」
次第に苦痛とは明らかに違う声が漏れる。さっきまでの乾いた布地が擦れる痛みを伴った感覚から、湿り気を帯びてねっとりと蠢くような感覚…。布地が奥に食い込むほどに微かな痛みと共に痺れるような感覚。
彼はふいに手を止めると絡めていた布地から指を離した。
「…ぇ」
痺れる感覚の中に身を置きかけていた私はフと我に返る。
鏡に映る自分に改めて気づく。そこには歪んだ乳房を晒し茂みの中に一筋の布地を食い込ませた女が居た。
思い出したように溢れる羞恥…。
「ぁ…やだ、恥ずかしい…」
顔を背け目を瞑る。
「ちゃんと見て！」
彼の声に目をあける。
彼の手が歪んだ乳房にかかる。
「は、ぁ…」
手のひらで弄ぶように揉みしだかれてゆくと全身が甘く痺れるような感覚に襲われてゆく。
キュッ！
「ぁん！」
前触れもなく体に電気が走った。
彼の指が乳房の頂点を責めていた。
「こんなに固くして…イヤラシい女だね」
「んぁ…ぃゃ…」
「嫌じゃないだろ？どんどん固くなってるよ？」
「は…あ、そんな…はぅっ！」
コリッ、コリッ
親指と人差し指で乳首を摘むと彼は強く弱く揉みしだく。
「んぁ！は、はぁ…ぁ、ぁ、ぁああ！」
鏡は忠実に映し出す。官能に萌える女と目を細め口元に笑みを浮かべる男。
彼の腕が下に降りてゆくのが見えた。食い込まれた布地をすくいとるように横にずらすと、秘所から溢れた蜜が糸を曳きながら布地を追う。
「ほら、見てごらんよ。やっぱりイヤラシい女じゃないか。」
彼はもう片方の指を秘所に浅く差し込むと蜜をすくいとった。
「ぁ、ぁぁ…」
彼の指を離したくないかのように銀色に光る蜜がまとわりつく。
彼は指に絡みついた蜜をゆっくりと自分の口元に運び、舐めた。
「イヤラシい味がする…」
羞恥に全身が熱くなる。
彼はもう一度指を運ぶとさっきよりも少し深く秘所に差し込み、たっぷりと蜜を絡めるように掻き回した。
「んぁ…ぁぁぁぁぁ…」
鏡の中に映る彼の口元には相変わらず笑みが浮かんでいた。
彼は蜜にまみれた指を今度は私の口元に運ぶと、
「口を開けてごらん」
そう言った。
「そ…んな」
「開けて」
逆らうことなど出来なかった。私は小さく口を開けた。
「もっと大きく開けて」
「ぁ…ん」
「舌を出して」
私が舌を伸ばすと、彼は舌の上に指を乗せ
「全部舐めなきゃ駄目だよ」
そう言った。
自分の中から滲み出てきた蜜を自分の口の中に入れられる…感じたことの無い被虐感と官能に目眩にも似た感覚が私を襲っていた。
彼の指とそこについた自分自身の蜜を舌に乗せると、ゆっくり舌を這わせてゆく。
「味わうんだよ」
そう言いながら彼は蜜のついた指を舌に擦りつけるように動かすと、グッっと口の中に指を押し込んだ。
「ゲホッ」
突然指を突っ込まれた私は、息が詰まって嘔吐しそうになった。
苦しさを堪えると涙が滲んでくる。
目の前が霞んでいた。
彼は中指を伸ばし口の中に入れると二本の指で舌を弄び始めた。舌を挟み折り曲げる。押さえつけ喉に近いところまで差し入れる。
「グゲッ、ゲホッ」
喉の奥からこみ上げる嘔吐感。私は必死で耐えた。感情とは別の部分から溢れてくる涙…ポロポロポロ…意志では止めることが出来ない涙が頬を伝う。
ヌルッ…不意に頬に感じた生暖かい感触…
彼の舌が涙の跡を辿っていた。
溢れこぼれる涙を全て掬いとるように下から上に辿ってゆく彼の舌。
私の舌を掴んでいた彼の指がゆっくり口の中から引き抜かれた時、何本もの銀色の吊り橋が私の唇と彼の指の間に架かって揺れていた。