第23話 研修、女体盛り-5
続いて指導員が促したのは、備品の少女自身に自分の身体の活用法を提案させるものだった。 当てられた【22番】は、【2番】と違って躊躇わない。 はい、と短く返答してから、淡々と意見を口にする。
「失礼します。 先ほど【2番】が述べた方法に準拠して、私達の活用方法を提案します。 1つ。 火起こし器として活用します」
背筋をシャンと伸ばし、声を詰まらせることもなく、堂々とした態度といえよう。
「火起こし器を股座(またぐら)に挟み、両足で前後させながら火を起こします。 着火剤は陰毛の産毛および頭髪を用います。 火種の追加と種火の拡大用に松脂(まつやに)を用意して、足が届く範囲、例えば臍に詰めておけば、種火を足で摘まんで動かすことで、下半身のみで火を起こせます。 もし太陽光で光を起こせるなら、股座に着火剤を詰めて、両足の指でレンズを固定するやり方で同様に火を起こせるでしょう。 種火の移動が遅れてしまうと、多少おまんこが焦げるちゃうかもしれませんが――」
そこで僅かに逡巡するも、
「――許容範囲です」
キッパリと言い切る【22番】。 学園で鍛えられた少女たちにとって、治癒が見込める火傷の類は、受け入れ可能な範疇(はんちゅう)にある。
「2つ。 皮むき器として活用します。 調理は室内で、また手を使わずにとあります。 採集した食材を捌く、或は皮をむく時、作成した調理用具を股座にセットし、腰を前後させて皮を剝きます。 ただ、そのためには事前に用途を想定した調理用具が必要です。 具体的には、石刃を取りつけた道具のどこかに、おまんこに挿入するための突起をつけなくてはいけません。 なお、上手に作れなかった時は、調理器具を口に咥えて使うことも条件に反しないと思います。 でも、理想はオマンコで皮を剝くことと考えます。 どちらにしても、普通に手で扱う道具じゃありませんから、道具を作る際は使用方法まで考慮してください。 3つ。 すり鉢として活用します。 おまんこに食材を詰めてから、擂粉木(すりこぎ)を挿入して、マスターベーションの要領で抽送します。 その際に――」
滔滔と論じる【22番】の言葉だけが、静まり返った教室に跳ね返る。 【2番】の話の時よりも、より一層目をパチクリさせる専門生を尻眼に、【22番】は『刷毛』(恥丘越しに調味料を塗る、或は尿道に調味料を詰めておいて添加する)、『菜箸』(細長い棒を肛門と尿道に挿入してからかき混ぜる)、『急須』(膀胱に飲料をつめておいてからサーブする)、『果物搾り器』(肛門で圧搾する)――といった用途を次々に提案した。
中には『ナッツクラッカー』(クルミや貝殻を歯で噛んで割る)、『焼き串』(魚や肉を串にさし、その串をオマンコで咥え、焚火を跨いで食材を焼く)といった、自分の身体を顧みない提案も散見した。 貝殻を噛み砕いた破片で口内が出血するかもしれないこと、焚火を跨いで加熱すれば余熱でおまんこが無事で済まないかもしれないこと、そういった点に関する遠慮は全くなかった。 自分の身体を備品として扱う以上、当然の心得だ。 ただし誰でも自分の肉体的苦痛を達観できるかというと、決してそうではないわけで。
「――以上です。 拙い私見を披露し、申し訳ありませんでした」
「お見事。 及第点を差し上げましょう」
一礼して話を結んだ【22番】に対して指導員が発したコメントが、【22番】のクオリティの高さを物語っている。
そこから後は、ほとんど【2番】と【22番】が提案した通りに作業が進んだ。 少女たちのアイデアに触発された数人の専門生が場を仕切りだす。 食材調達、調理器具作り、火起こし、調理、エトセトラ、エトセトラ――あっというまに時間が過ぎる。 それでも予定された5時間が経過する直前には、きちんと5品の料理――川魚の塩焼き、山菜の盛り合わせ、タコとウツボのお造り、サザエのつぼ焼き、鳩の串焼き――が揃い、3人の少女が横たわった裸体の上へ綺麗に盛付けされたのだった。