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SM学園・行事幕間
【学園物 官能小説】

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第12話 模擬エスコートD-2

『カルタ部』

 振袖で装ったBグループ生が、畳に並べた百人一首歌留多を前に膝を揃えていました。 将棋部のように目隠しをして、でも腕に拘束はありません。 壁には『蝉丸様』や『赤染衛門』の歌が貼りだしてあって、歌の情景を模した写真が添えられています。 紀貫之様に対しては、桜吹雪の中でアナルオナニーに耽っている写真。 柿本人麻呂様に対しては草原に立って手を広げ、登校服や下着をぶら下げる『物干し棹』になっている写真。 併せてみれば100枚きっかりです。

 試みに『しのぶれど……』と読み札を声にだせば、すぐさま『ものやおもふと』の札が弾かれました。 コンマ1秒の世界です……えーと、目隠しをしているのに札をとったということは、すべての札の場所を暗記していて、なおかつ決まり字を踏まえて取りに行ったということでしょうか? 【A2番】先輩が壁の句を詠むたび、間髪入れずBグループ生が札をとります。 こうなると偶然で片付けるわけにもいかなくて、見事というより他ありませんでした。



『茶道部』

 茶道。 伝統に則った美しい所作と合理性が昇華した文化です。 そうはいっても学園の茶道なんだから、きっと私達が教わったように、オマンコやオシッコで饐えた香りに満ちた作法なんだろうな――そんな風に思っていた時期が私にもありました。 けれど学園茶道部においては当てはまりませんでした。

 囲炉裏や灰棚を設えた部室で、部長と思しき【B16番】先輩を主人、【A2番】先輩を客として抹茶を泡立てます。 茶道具は『乳首のような茶筅』『注ぎ口がオマンコ模様な薬缶』『肛門を拡げた様相の碗』のように、形状が歪なものばかりです。 それでもお茶を点てる挙措は、キレがあって洗練されている手前でした。 出来たお茶も馨(かぐわ)しく、鮮やかな新緑色をしています。 【A2番】先輩が碗を私の口に当ててくれて、一口だけ呑ませてくれました。 ゴクリ、喉を鳴らします。 
 
 ……すごく……美味しいです……。

 幼年学校時代に喫した抹茶と比べ、明らかに茶道部のお茶の方が美味しいんですけど。 出鱈目に卑猥な器で作ったお茶が、こんなにおいしくて大丈夫なんでしょうか? ともかく【A2番】先輩は作法通りに一息で抹茶を頂き、茶道部の部室を後にしたのでした。




『吹奏楽部』

 他と比べて一回りも二回りも拾い部室には、3名の生徒が『クラリネット』を抱えて――目隠しは共通のようです――待っていました。 【A2番】先輩が傾聴したい旨を告げると、すぐに演奏が始まります。 クラリネット4重奏『水上の音楽』、古典名曲中の名曲です。

 演奏中に張り型をオマンコに咥えることはありません。 ローターや手淫で恥部を苛むこともありません。 単に革製のボンデージライクな目隠しを顔に喰いこませているだけ。 目隠しをした上で淡々と奏でる4人のメロディは、柔らかくて丁寧で、これまでにない響きを醸しました。 音楽って素敵ですね……ヒトの心を同じ方向に向けてくれます。 楽しいなら楽しい、哀しいなら哀しいっていう風に。 『NO MUSIC , NO LIFE』っていう格言がありますけど、上手いコトいってるなぁって思います。 ふと思ったんですけど、純粋に心が潤ったと思えるなんて、いつ以来でしょうか? ……束の間でしたが、それなりに貴重な時間を過ごすことができました。






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