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SM学園・行事幕間
【学園物 官能小説】

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第12話 模擬エスコートD-3

『手芸愛好会』

 刺繍、折り紙、パッチワーク……身近な素材から派生した日用品や飾り物が所狭しと置いてありました。 オマンコや陰唇をモチーフにした刺繍も、M字開脚で自慰に浸る女性の折り紙も、机の角に股座(またぐら)を擦りつける牝にスポットライトを当てたパッチワークも、確かに卑猥なテーマなのは認めますが、それにしても惚れ惚れするクオリティです。 個人的にはいくつものオマンコ模様が並んだ純白の刺繍が気に入りました。 パッと見た限りではウエディングショールといっても通じるくらい、清らかな雰囲気を醸していたからです。

 部屋には手芸愛好会の部長が待機していて、こちらが注文をいうとその場で刺繍や指編みを見せてくれました。 【A2番】先輩は『アナル』『脱肛アナル』『陥没アナル』と只管肛門系を申し出て、部長は嫌な顔一つせずに要求通りの模様を作ります。 あ、もちろん目隠し付ですよ? 手許を全く見ずに模様を完成させるだけでも驚きだのに、その素早いことといったら……どれだけ練習したのか想像もできませんでした。



『ジャグリング愛好会』

 ディアボロ、シガーボックス、デビルスティック、クラブトス、ボールトス、リングトスといった基本形に始まり、ヨーヨー、けん玉、皿回し、枕返しに至るまで様々な道具が揃っています。 目隠しが無いかわりに箝口具で栓をされた部長と思しきBグループ生がいて、こちらがジャグリングの道具を指定すると、それでもって難なく演技を見せてくれました。 『基本の技が見たい』というと、例えばボールトスで『7つのボールでのお手玉』を見せてくれます。 『ヨーヨー』なら『ループ・ザ・ループ』がエンドレス。 一方『応用技が見たい』というと、それぞれの技を下半身で演じてみせてくれました。 床に寝そべってアンテナ式に足をあげ、シガーボックスを操りながら、チラチラとお股をかいぐります。 椅子にM字開脚で座ってけん玉を肛門に挿入すると『とめけん』から『ふりけん』まで一通り下半身の動きでもって成功させます。 どちらにしても相応に技術がいるのは間違いありません。 応用技にしても、みっともない演技なのは承知の上で、それでも技が決まると嘆声が出ます。 両手を拘束されてなければ、【A2番】先輩みたいに大きな拍手をしていたでしょう。



『奇術愛好会』

 箝口具代わりにハミを噛まされたBグループ生がいて、カードマジックを見せてくれました。
 例えばテーブルに『ア』〜『ン』の文字が載ったカードを伏せて並べ、順番に私に選ばせます。 何も考えずに選んでめくると、最初が『オ』、次が『マ』、そして『ン』、最後に『コ』。 他のカードを捲ったらちゃんと『ワ』とか『ナ』もあるっていうのに、もう一回めくり直したらまたしても『オ』『マ』『ン』『コ』です。 自分の意志でカードを選んでいるハズなんですが……どんなトリックなんでしょう。
 
 あとは【A2番】先輩が選んだカードが私のおけつに挟まってたり、私の胸の谷間に差し込まれたスペードのエースがハートのエースに変化してたり。 全然変な動きを見せない癖に、【A2番】先輩をもってしても鮮やかに翻弄してくれました。

 部室にお邪魔する前は『どうせオマンコやオケツのあなからコインや鳩が出てくるんだろう』なんて思っていたら、中々どうして、本格的なマジックです。 マジックの醍醐味は騙されて気持ちが良くなる清々しさだと思います。 そういう意味では、多少卑猥な部分はあれど、愛好会のマジックは一級品に間違いないと思います。


 ……。


 以上の『実演系文化部』以外もあらかた顔はだしました。 こちらが出した質問に即答する『クイズ愛好会』や、口ずさんだメロディーをその場でポップスに変換する『軽音部』等々、部活紹介にない愛好会も沢山あります。

 そんな文化部の展示を眺めるうちに気づいたことがありました。 というのも、どれも『一定の猥褻さ』を含有しているものの、基本的に『レベルが高い』んです。 信じられないくらいスゴイ技や、目を疑うような展示だらけでした。 文化部なんて、ただ部活の間中オナニーしながら腰をふっているんだ――そんな風に思ってた自分が恥ずかしいです。

『学園の部活には猥褻な自己否定しかなく、いくら努力しても自尊感情には繋げられない』

 ――そう思っていた時期が私にはありましたが、どうやら間違っていたようです。

 Bグループ生の文化部部員のみなさんが見せて下さった部活の成果には、卑猥な部分は、もちろんあります。 でも、本気で自分の技術なり手先なり能力に磨きをかけた証は、卑猥さを遥かに凌駕するんですよね。 先輩方は誰もがみんなすっごくて、目隠しをした先輩も、箝口具を噛ませられた先輩も、鼻フックでだらしなく鼻の下を伸ばされた先輩も……みんなして輝きを放っていました。 卑屈にオマンコを拡げるでなしに、堂々と自分の持ち物を曝けだす。 屈辱を噛みしめながらケツのあなを息むでなしに、虚心坦懐に肛門を開く。 学園に潜むふざけたカリキュラムも、無茶な部活も、不条理な規則の数々も。 学園祭の出し物を眺めるうちに、学園に潜む様々な事象に対するイメージが歪んでくるんです。 どれもがみんな単独で取り出してみれば得体が知れなくても、突き詰めれば自己実現に繋がる――そのようにすら感じられてしまい、私自身がおかしくなってしまった可能性も含め、胸奥がモヤモヤしています。 

 


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