白いニット-2
タクミがいつものように
インターホンを押すと
ちづるが迎え入れる。
タクミからお弁当を受け取ると
それを温め、いつものように
2人は夕飯を取り始めた。
が、少しだけタクミは
元気がないような、
ふてくされているような様子だ。
ちづるは少し
タクミの機嫌をうかがうように
声をかける。
「美味しいね、これ 」
「 んーー? うん、、」
「買ってきてくれて、
ありがとうね。」
「 うん、 」
「 、 、、、。」
「、 、、汁 、」
「 んっ?」
「焼き肉丼の汁、飛んでニット
汚さないようにしなきゃね。」
「 ぇ? ぁーー、うん。
そうだね、もらったばっかなのに
汚したらショックーー。」
「、 、 、、。」
「、 、 、、、。」
?
タクミ君
やっぱ機嫌悪い ?
お昼は 優しかったのに
んーーー?
、 、 、、若い人って
こんなに
テンションに差がある もの?
私が10代の時は
どうだったかなぁ
「 あ、! プリン買ってあるよ?
後で食べよっか〜」
「んーー? うん、、
ぁーー でも 今日はいいや。」
「 そう? 、、食欲ない?」
「んーんーー、、、。
なんか 眠いから。」
「そっか。
じゃあ食べたらすぐお風呂入ろ。」
「 俺は、
さっき家でシャワー浴びた。」
「そっ か。」
2人は
そんな会話をしながら
夕飯を食べ終わる。
ちづるは食べ終わると
簡単に片付けをして風呂に入る。
タクミは、その間に
部屋着に着替え歯を磨いて
寝室の布団に入る。
布団の中でスマホでゲームや
ラインをしていた。
ちづるは風呂から上がると
髪を乾かし歯を磨き
リビングの明かりを消して
寝室にきた。
ちづるも布団に入る。
時計を見ると11:30だった。
布団に入るといつもの癖で、
ちづるはタクミの背中に
くっつこうとする。
が、夕飯時にほんの少し
タクミが不機嫌だった事を思い出す。
「 、 、 、、。」
まだ不機嫌 かなぁ
「、、消す? 電気。」
タクミは、
ちづるに背をむけて
スマホをいじりながらそう聞いた。
「 、ぁっ 、、 うん。」
タクミは
リモコンを持つと電気を消し、
部屋は豆電球の灯りになった。
タクミはスマホを見続けている。
ちづるは、少し頭を起こし
それを確認すると、
タクミの邪魔にならないように
布団の中で静かにおでこを
背中にくっつけた。
それに気がついたタクミは
スマホを布団の横に置いて
ちづるの方を向いた。
手で頭を支え起こしながら
もう片方の手をちづるの身体にのばす。
パジャマの中に手をいれて
腰骨を撫でながらタクミは言う。