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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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寝返り-1

ちづるはタクミに
しがみついたまま眠ってしまった。

ちづるが起きないように、
しばらくタクミは動かずにいた。

それから、
起こさないようにそっと
ちづるの腕を自分から離す。
タンスからバスタオルを出して
ちづるのお尻の下に敷く。

いつものように
パジャマを着せてあげていると
ちづるが寝ながらモソモソと
寝返りをうつ。

タクミの温もりを、探している
ような動きに見えた。

タクミは
自分の胸をちづるの顔の近くに
寄せて、片腕で抱くようにして
ちづるの背中をさする。
寝息が深くなるのを
見て、タクミは微笑んだ。

そのままリモコンを持ち
電気を消して、タクミも眠った。


翌朝。


先に、目を覚ましたのは
タクミだった。

今日は祝日で学校は休みだ。

ぼんやりと眠気眼で
目覚まし時計を見ると7:30だ。

ちづるの寝顔を見る。

ちづるは
自分の方を向き、
気持ち良さそうに眠っている。

「、 、 、、、。」


 年の差なんて
   たいした問題じゃないって

 昔は 思ってたっけ、、 、。


  主婦だろうが
     学生だろうが

 恋愛なんて 
   始まる時は始まるし 

 
  終わる時は

       終わる  

  なのに、 、、


「 っ はーーー、、、」


ちづちゃんは吉川に
    何を相談したんだろ 

   なんか やっぱ

  頼られてないよな 俺、 、

「、、 はぁ。
  、 、 、、なんで 俺
        18  」


  あーーーーー、、、 


    嫌だ  


 『なんで俺は 18才なんだ?』


   とか? 

 そんなベタな恋愛ドラマみたいな事
    言う日が 来るとは、、


「、、や。 
    まだ言ってないし。
 ちょっと思っただけだしーー。
、、、。
 年なんて、みんな平等に
 くうっつーーのーーー、、、。」



タクミは、
そんな独り言をブツブツ言いながら
ちづるの頬を撫でる。

ちづるはぐっすり眠っている。

タクミはしばらくして
布団から出て、トイレに行った。

それから、キッチンへ向かった。
 

***


ちづるが目を覚ました。
時計を見ると8:00だ。

隣に、タクミがいない。

トイレかな?と思い、
暖かい布団の中で目を閉じて
耳をすませる。

しばらく
そのまま耳をすましていたが
足音がしない。

「、 、 、、。」


  もう あっちの部屋かな

   早起きだなぁ、、、


もう少し布団で
ぬくぬくとしていたかったが、
タクミの事が気になり布団から出た。

トイレに行ってから
洗濯機をまわし、リビングへ行くと
タクミはソファーに座っている。
コーヒーを飲みながら
テレビの、朝のニュースを観ている。
タクミが振り向いて言う。

「 おはよ。」

「 おはよう。早起きだね。」

「ちづちゃんこそ。
今日、仕事午後からでしょ?」

「うん。」

「もう少し、寝ててもいいのに。」

「んー、、なんか、起きちゃった。
 自分で入れたの?」

「んっ?」

ちづるがテーブルのマグカップを
見ている。

「うん。 ぁ、飲む?」

「ぇ? ぁーーー、、、うん 」

ちづるが
コンロのやかんを見ると同時に
タクミが言う。

「 あ、俺 入れるよ。」

「 ぇ?」

タクミは
立ち上がり、キッチンへ来る。
ちづるはキョトンとして立ちすくみ
タクミを見ている。

タクミは気にせずコーヒーを入れる
準備をしながら言う。

「ちづちゃんは〜
  微糖派〜〜 だよね?」

「、んっ? うん、、」
 
「俺やるから。
  座っててよ。」

「 、 、、、 うん。」


それから2人は
コーヒーを飲みながら
ソファーに座り
のんびりとテレビを観ていた。

しばらくしてちづるは
部屋着のワンピースに着替えて
朝食を作り始める。

いつものように
「いただきます。」
と2人で言い、朝食をとる。

タクミが、
TSUTAYAでレンタルしていた
映画の話をしている。
あまり面白いものでは
なかったらしい。

ちづるはいつものように
話を聞く。

聞きながら
タクミが戻ってきてくれた事、
ここに今、一緒に居てくれる事を
改めて感謝したい気持ちになる。

ご飯を食べ終えて、
ちづるは空いた食器を片付ける。

流しにお皿を置いて
洗い物に取りかかろうと
部屋の隅のハンガーにかけてある
エプロンに手を伸ばそうとすると、
タクミが立ち上がりながら言う。

「今日 俺洗うよ。」

「 え?」

「ん? お皿。 俺が洗う。」

「えぇー? なんで? いいよー。」

「いーから。」

「、 、 、、。」


タクミは、腕をまくりながら
流し台の前に立ち、
洗い物に取りかかろうとする。

ちづるは呆然と、
タクミの斜め後ろ姿を見つめる。
タクミがスポンジに洗剤を
かけながら言う。

「あのねぇ、
俺だって洗い物ぐらい
   出来るからね?」


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