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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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夜道-3

タクミは、
自転車から降りて歩き出す。
ちづるはタクミの隣を歩く。

タクミは黙ったままだ。
しかし明らかに怒っている事が
空気で分かる。

しばらく、重い空気の中
黙々と歩いた。

ちづるが言う。

「 ぁの、 、、
    ごめんね。」

「何が?」

「送って、、もらっちゃって。」

「、 、 、、、。」

「吉川さんが夜道、
危ないからって、、。
断ったんだけど、
自分も酔い醒ましに
 散歩したいからって
      吉川さん  」 

「、、だから ?」

「 え?」

「私は悪くないです。
     みたいな? 」

「 っ、 、、、」

「、 、、、、。」

「 、、、。
言い訳みたいに
 聞こえるかもしれないけど 」

「、 、、 っ 」


  本当に なにも 
   分かってないのかよ

 
    自分の事


「家まで送ってもらうつもりは
 なかったの。 っ それに、」
「どうかなぁ?
 俺よりアイツに
 送ってもらいたかったから
 俺からの迎え断ったんじゃないの?」


「っ!? 違うよ! 
私は1人で帰るつもりで、 っ 」
「なんかさー。
 そういうのさぁ、卑怯じゃない?」

「 ぇ? 」

「全部、、。私は決めてません。
 みたいな? 
   それしかないの ? 」


「、 、 、、。」

「どうせ、それしかないんでしょ?
それならもう、聞きたくない。 」


  駄目だ 


  なんで こんな事 


   〜っ、 


「ちづちゃんは、どうせ、、。
 俺にバレなかったら
 アイツに送ってもらった事、
  言わなかったと思う。 」

「 ぇ? 」

「自分に都合の悪い事は
  言わないもんね? 俺に」

「ちょっと、、 待って?
   なんの事? 」

「 いつも、そうじゃん。」


 健と会話した事も 

   旦那に会った事も 


「 いつも?
 私、 タクミ君には 
   ちゃんと っ   」 

「ちづちゃんは、、
 自覚ないかもしれないけど。」


「 〜っ、 ? 」 


2人はいつの間にか
駐輪場に着いていた。

屋根のついている駐輪場の、
頼りない外灯の光の下で
タクミはちづるを見ずに
自転車を乱暴にガシャン!と
とめてこう言った。

「馬鹿にしてんだよ。
     俺の事。」 

「 っ!?  、 、、 」


「、 、 、、、。」



2人は沈黙する。
タクミはちづるを見た。

ちづるは
タクミの目を真っ直ぐに見る。
辛そうな顔をして震える声で言う。


「、 、〜っ、してないよ。」



「、 、、、。 」


「 なんで、〜っ 
   そんな事、言うの ?」


ちづるの震える声は
涙声になっていた。

タクミは
ちづるに背を向けて
外階段に向かって歩こうとする。

「 タクミく」

「俺、、。
  しばらく 会いたくない。」

「 ! 〜っ、 、、、」


「、 、 、、っ  」




タクミは、
ちづるが自分の事を
引き止める事を強く望んだ。
泣いて、叫んで
そんなの嫌だ、と言ってほしかった。
しかしちづるは
静かに言う。


「 、、分かった 。」

「 ! 、、 〜っ  」



タクミは
階段を上がり
自分の家に戻った。

ちづるは
しばらくその場に立ちすくんでいた。

その後静かに歩き出して
階段を上がり家に帰った。


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