意外な顧客 Y-4
「ねぇ、少し男性の気持ちになっていいかしら? こういうのも大丈夫?」
小さめのボストンバッグをまさぐっていたYの手にペニスバンドが揺れている。
「はい、もちろんお好きなように」
「良かった、ちょっとドキドキだったのよ……」
Yは笑いながらペニスバンドを腰に巻き始める。
「どうせなら、もう少し男性の気持ちを味わってみませんか?」
「え? どういうこと?」
ディルドを腰から生やしたYが真っ直ぐに立ち、さおりがその前に跪いている。
「ああ……神経が通ってるはずもないのに……なんだか感じちゃう……」
さおりがディルドをペニスに見立ててフェラチオしているのだ。
「男の人の気持ちってこういうものだったのね……もう我慢できないわ」
Yはさおりをベッドに横たえると脚の間に膝をついてゆっくりとかぶさって来た。
「あ……ああ……」
「大丈夫? 大きすぎない?」
「だ……大丈夫です」
「動くわね」
Yは下半身をぴったり密着させて腰を振って来る、身長差があるのでYの胸は目の前、さおりは掌でそれを支えると乳首に唇を……。
「あああ……いい……こんなのって初めて……もっと強く吸って」
さおりは懸命に吸うが、ディルドで奥まで突かれている、少し途切れ途切れになってしまうのだが、それが却ってYに次の刺激を予想させない結果になったようだ。
「ああああああああああああああああああ……」
「あひぃぃぃぃっ」
血の通っていないディルドだが、Yとさおりは同時に達してしまった……。
「しゃぶらせたがる男の人の気持ちが少しわかった気がするわ」
Yは爽やかに、あっけらかんと笑う。
同性にも人気が高い理由がわかる、さおりもちょっと、いや、かなりトキめいてしまう。
こんな人にならもっと抱いていてもらいたい……。
「あの……もうひとつの穴も……お嫌でなければですけど」
「もうひとつの?……もしかして、お尻?」
「はい」
「マジ? あたし、この歳になっても経験ないわよ」
「私はコールガールですから」
「でもまだ12歳なのよね……やっぱりFさんから?」
「はい」
「嫌なはずないじゃない、興味津々よ」
「わぁ、この中ってこんなに柔らかいんだ……入り口はきゅっと締まるのにね、それに熱いんだね……」
「ええ……あ、ふぅ……」
さおりもかつてない感覚を味わっていた。
男性に指を入れられたことは何度もある、しかし女性の指はまた別だった、柔らかくてしなやかで……しかも、男性はどうしてもその先、ペニスの挿入を前提としていて、その前戯、ほぐしとしての指責め、しかし、女性であるYは純粋に指の感触とさおりの反応を愉しんでいるので、穏やかに、しかし執拗に指責めを続けるのだ。
「え? 三本? 大丈夫なの?」
「あ……はい、三本入れば男性を受け入れ可能と言う……」
「そうなんだ……わ、本当に入る、うわぁ、三本だとみっちりだね、これは男の人たまんないだろうな……ぺニバン、入れてもいい?」
「お願いします……」
「あ、あ、あああああ、逝く……」
Yは真剣な表情で腰を使い、さおりもアナルではかつてない快感に身をよじる。
「さおりちゃんの顔を見たいわ、これって前からでも可能なのかしら」
「は、はい……一旦後背横臥位に……」
「こう?」
「はい……」
後背横臥位からのアナルセックス、そこからならば、手を腰の横につけてわずかに腰を浮かし、赤ちゃんのように膝をひきつけた姿勢をとって、繋がったまま体を横転させることが可能。
男性相手のアナルセックスならば……女性とは当然初めてだが……ペニスを軸に体をよじると直腸の中でペニスが回転したのと同じになる、男性にとってもさおりにとっても強い刺激になる。
「あ……すごいわ、さおりちゃん、今、ぺニバンなのにぞくっとしちゃった」
「私の方はもっと……」
「でしょうね、お尻の中で男の人が回転するなんて、想像するだけでぞくぞくしちゃう……すごく良い表情よ、さおりちゃん、宝塚で娘役行けるわよ、男役は相手役にそんな顔されたら惚れちゃうわ」
「私もこんなきれいな人に抱かれてると思うと……」
「可愛いこと言うわ……スパートするわよ」
「あ、あ、あ、逝くぅぅぅぅぅ……」
「なんだかあたしまで感じてきちゃう……え? ああっ!」
アナルを突かれながらも、さおりの指がぺニバンの中に滑り込んで、Yのクリトリスを捉えたのだ。
「ああっ! あたしも逝く、逝っちゃう」
「ああああああっ! 一緒に……」
「うん、一緒に逝くわよ……ああっ!」
「ああっ!……」
さおりはもちろんだが、Yも体を震わせて余韻に浸っている。
さおりは手をYの腰に回してぺニバンを外し、脚を交差させて性器と性器をこすり合わせる……するとYはぶるっと体を震わせて静かになった。
「もう……ただやられっぱなんしになってないんだもの」
「あ、お嫌でしたか?」
「ううん、その反対……あのね、レスビアンは結構経験あるのよ、でもこんなプレイは初めて、さすがプロだわ……って、顔を見るとこんなにちっちゃくて可愛いのに!」
Yにぎゅっと抱きしめられると、顔が胸に埋まってしまう。
「ねえ、なんだかあたしも興味出てきちゃった」
「アナルセックスにですか?」
「そう、でも、いきなり最初から感じるようにはならないんでしょ?」
「そうですね……私の場合はFさんって言う名人に開発してもらいましたけど、やっぱりFさんが入ってきた時は裂けちゃうかと思いました」
「そうよねぇ……」
「でも、パールなら最初から感じますよ」
「そうなの? もしかして、今、持ってる?」
「はい」
「やってもらっていいかしら?」
「はい、もちろんです」