あたるの選択-6
明日は学校も休みという事で今夜は真彩の家に泊めてもらう事に。
「ぐず…ひっく。」
「……。」
人気の無い自宅付近の道で顔を真彩の胸につけ、泣きじゃくる。
あれだけ寂しい生活を送っていたあの場所、けどそれが今じゃ豊かな場所へと変貌していてほっとした、けどその反面なんとも言い難い孤独感に襲われる。
ぽつんとただ一人、広い平原に取り残されたようなそんな感じ。
「あたる。」
「真彩。」
彼女の声を耳にし、はっと我に返る。そして涙を腕で拭き。
「親父、本当に良かったよ。」
「…良いの?」
親父と再び暮らしてやり直さないのか…、その良いのに対し俺は首を横に振る。
「ありがとう、教えてくれて…。」
「ささっ中入ろ!今夜も冷えるわね。」