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思い出の君、今いずこ
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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思い出の君、今いずこ-9

「武田くんが言ってたでしょ? 普段は四人全員、わたしに絶対の忠誠を誓ってくれてるの。
でもその代わり、エッチ方面に関してはわたしがみんなの忠実なしもべになる」
「な、何で、そんなことに……まさか、無理矢理とかじゃ――」
「ううん。それはないよ。本当にない。むしろわたしが言い出したことなの。最初は四人とも
困ってたんだから。きゅ、急にそんな話されても、とか言って」
 少し強い口調で雅樹の言葉を否定すると、美由はおかしそうにそう語った。
「お、オタサーの姫、だっけ? それってみんな、こうなのか?」
「それちょっと雑にくくりすぎだよ、雅樹。本当にプラトニックな姫もいると思うし……まあ
もっと打算的な人も多分いるんだろうけど……とにかく、あくまでわたし達はこんな感じって
だけの話ね」
「じゃ、じゃあ、何で……?」
「わたし、引っ越しが多かったから。それは雅樹も知ってるでしょ?」
「あ、ああ……」
「雅樹とお別れした後もあちこち転々としてね。行った場所全部言えるか、今ではもう自信が
ないくらい」
 美由が苦笑気味に肩をすくめる。
「結局高校卒業までそんな感じ。友達を作るとかそんなのすっかり諦めちゃって、ずっと独り
ぼっちだった。暇さえあれば映画館に通って、お小遣いがなくなったらあとは図書館。そんな
毎日だった」
 でも、と言葉が続いた。
「どうにか大学に入って一人暮らしを始めて、自分の力で色んなことができるようになった。
そんな時に、みんなと出会ったの」
 嬉しそうに、破顔。
「なんかね、すっごい自分が求められてるような気がした。孤独が、あっという間に埋まって
いく感じで、幸せだった。本当、あの四人にはいくら感謝してもしきれないと思ってる」
「……だから……お礼か」
「うん。わたしにできる、精一杯」
 震えを必死に抑えながら紡がれた雅樹の一言に、美由はあっさりそう返した。
「まあ、こんな貧素な身体でいいのかよってのはあるんだけどね。あっはは。でも最初の時、
みんなすっごい喜んでくれた。わたしも初めてで、向こうも全員初めてだったみたいだけど、
もうむちゃくちゃいっぱい出してくれて、身体中真っ白のべっとり」
「……」
 雅樹の胃が、きりきりと痛む。


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