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思い出の君、今いずこ
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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思い出の君、今いずこ-1

 十年後の八月、また出会った彼女は――。








 ――オタサーの姫になっていた。

          *       *       *

 始まりは、夏休み前最後の部会で部長が口にした言葉だった。
「我々H大動画部も他大学とのサークル交流を推し進めていきたい。その手始めとしてまずは
八月の頭にF大映像研究会との会合を設定した」
 三年の部長が引率、あとは今後の付き合いを見据えて一、二年主体で臨むという方針の元、
揃ったのは五人。
「……え? 俺も行くんですか?」
 うち一人が、十八歳の一年生、藤坂雅樹(ふじさかまさき)であった。
「うむ。F大映像研究会といえば名門だ。十年ほど前に有名な映画監督を輩出してな。他にも
プロのクリエイターがぽちぽち出ているし、勉強になるだろう。行って色々吸収してくるぞ」
「は、はあ……」
 高めのテンションで滔々と語る部長に、雅樹は困ったような生返事を返した。
 何となくアニメとか好きだから、という程度の軽い感覚で動画部に籍を置いている自分に、
このミッションは少々荷が勝ちすぎなように思えた。
「それに、向こうにはうちと違って女子部員がいるらしいぞ。もしかしたら運命の出会いって
やつがあるかもしれん。どうだ? これは魅力的だろう」
「え、ええ、まあ……」
 鼻息を荒くする部長に対し、雅樹の返事はますます生っぽいテイストが強くなる。
 いくら相手に女子部員がいるといっても、それがアニメだのラノベだのに出てくるような、
いわゆる「運命の出会い」につながるとは到底思えない。雅樹にとっては、そんな都合のいい
展開などまさに二次元だけの話でしかなかった。


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