第15話 29番日誌N-1
〜 29番の日常 〜
―― 6月○日 曇り ――
道徳の時間に『校舎案内の練習』があった。 滅多に来客なんてない学園だけど、他校の生徒が部活や生徒会関係で訪問してくることはある。 また学園を殿方が視察に訪れたり、校長同士が会合にやってくる場合も、ごくたまにだけどあるわけで。 前者のような場合に学園を案内するのはCグループ生の役割で、後者はAグループ生が対応することになっているんだとか。
案内するコツを色々教えてくれましたけど、2号教官の言うことは、多分みんな半分も理解できてないと思います。 『適度な身だしなみ』と『適度な礼儀』っていわれても……建前論じゃなくて、もっと具体的に教えて欲しいです。 確かに教官がいうことも分かります。 一々正解を与えられないと動けないようじゃ、何の役にも立ちません。 自分で考えて正しく動くことが出来て初めて、社会人として確かな一歩を踏み出せる――それはその通りだと思いますよ? 思ってはいるんです。 でも、さあやってみろって言われても、出来ることと出来ないことはありますって……。
まあ、結局のところ、困ったときは【22番】さん頼み。 【22番】さんの対応を真似すれば、大抵の場合は事無きを得る。 【22番】さんは、みんなが困った感じの時は躊躇わずに前にでるから、本気でカッコいいっていうか、凄い。
【22番】さんはニッコリ微笑むと、腰を少し落とした控えめながに股を作った。 やや腰をつきだして、歩くたびにお尻が左右に大きく振れる。 手は自分から背中に回して後ろ手に組み、後手縛りみたく反対の手の肘を握っていた。 背筋を伸ばしておっぱいを張り、そうして何事もないような顔つきで、
『ご案内いたします。 どうぞついて来て下さいませ』
なんていうと、お尻をプリプリしながら歩きだしていて。 うーん、個人的には下半身と上半身が別々な生き物みたいで、見ていて違和感があったかな……なんていうか、そもそも品がないがに股歩きが、より一層下品になるっていうか……いや、それが狙いなんだろうな、きっと。 普通に立って案内したら『牝らしくない』って言われる気がするし、かといって四つん這いになってお尻とおまんこを見せびらかしながら歩いたら『お客様を舐めてる』とか難癖つけられる気もするし、あのくらいが丁度いいってことなのかなあ。
下品っていっても、がに股で階段を登ったり下りたりするだけだから、体力的には全然楽チンだ。 恥ずかしいかと聞かれたら、まあ、恥ずかしいけど。 それでも普段の特別活動に比べたら楽勝以外の何物でもない。 っていうか、こんな楽でいいのかなって不安になったから、せめてお尻くらいはプリップリに振りながら歩いた。
次に『校舎案内』にはつきものの『駐車場整理』の練習をした。 正門に入ったところに立ち、車を駐車場へ誘導するフリをする。 赤い『誘導棒』のゴム輪を両方のおっぱいに留めて、おっぱいごとグルグル回した。 おっぱいを揺することはしょっちゅうあっても、遠心力をつけて回すことはあんまりない。 誘導棒に引っ張られるからおっぱいの根本が痛くなった。
車を駐車スペースにバックでいれてもらう練習の時は、アナルに誘導棒の先を挿して、車に背中を向けて立つ。 そのまま上半身を屈め、誘導棒をお尻ごと後ろにだしてスタンバイした。 車がちょうど誘導棒に触れたところがベストポジションというわけ。 もし車がバックしすぎた時は、誘導棒をアナルで頬張りながら、棒越しに体をはって車を止める。 アナルでなくても、別に口でもおまんこでもいいらしい。 私は口にしようかな、と一瞬思った。 けど、誘導棒から誰のものともわからない糞の香りがして……気持ちが萎えたからアナルで誘導だ。 ここまでが1時間。
来客に挨拶する練習もした。 学園のあちこちで立ち番をして、来客が近づいて来たらこちらから挨拶するっていうシンプルな練習。 逆立ちをしてオマンコで礼でもするかと思ったものの、【22番】さんはその場に正座して、
『いらっしゃいませ。 ようこそお越しくださいました』
といいながら、廊下に頭を擦りつけて土下座するだけだった。 ただしお尻は高く掲げていて、お尻の割れ目から覗いたおまんこは、一目見て分かるくらい濡れていた。 私達もおまんこを濡らしてから正座して、教官方が通り過ぎるたびに額を擦り続けた1時間だった。
ここで合計2時間経って、特別活動は終了だ。 近いうちに『校舎案内』をするかどうかは別にして、まあ、なんとかなりそうな気はする。