第11話 29番日誌J-5
―― 5月○日 雨のち曇り ――
試験が終わったと思ったら、もう結果が張り出されててビックリした。 教官がたは、昨日の今日で試験が終わったところなのに、もう全部採点終わってるんですね……。
結果は衝撃の! 驚愕の! クラスで……14位(総合順位52番)!!
いや、まあ、驚きっていうか……普通よりはいいにしても……真ん中よりちょっと上……うん、なんていうか……すごく微妙です。 嬉しくないことはないんだけど、嬉しいかといわれると、そうでもないみたいな。
総合順位1位〜5位は、全部1組が占めてました。 2組の最高順位は、2番さんの6位。 次は22番さんの9位。 ベスト10の残りは3組と1組で半分ずつ。 平均点でみると、1組69点、2組60点、3組59点の順番だ。
う〜ん、個人成績はともかくとして、クラスの成績で1・3組に負けたのは悔しい。 勝手に『2組は優秀で、私も全体でみれば上位にいる』って思ってたけど、現実を見せつけられたらグウの音もでません。 あんな変態的なテストでも負けたら悔しいものなんですね……次、期末試験で絶対見返します。 個人順位も、こんなところで終わるつもりはありません。
*追記*
どうしても我慢できないから、書きます。 あのですね、社会なんですけど、社会の試験、酷すぎじゃないですか!? 2組だけ全員0点で、1・3組は45点、44点なんですけど、2クラスとも、事前に『陰毛で自慰させるから、テスト当日は陰毛を伸ばしておくように』って言われていたらしいんです。 でも、私達は何にも聞いてません。 これって絶対平等じゃないですよ! 誰かに抗議したいんですけど、どういう風にすればいいんでしょうか。 抗議することで私が補習になるくらいなら我慢します。 だから、社会科の19号教官にはせめて一言私達に謝って欲しいです。 もしいい方法があれば教えてください。 お願いします。
―― 5月○日 雨 ――
昨日の日誌にコメントをつけていただき、ありがとうございました。
2号教官が『諦めろ』っておっしゃるなら、そうします。 確かに『陰毛』が『オマンコの毛』だなんて決まってませんよね。 『髪の毛を陰毛ってことにして、紙を引っ張ってオナニーする』ことで、パイパンな私たちも解答権利を得られたのかもしれません。 私達が甘かった側面、考える工夫を怠った側面は否定できないです。
……なんだか疲れちゃいました。 クラスのみんなにも、2号教官が書いてくれたコメントを教えたんですけど、みんなシュンとなっちゃってます。 【22番】さんみたいに『なるほど〜』って感心してた人もいれば、【2番】さんみたいに『はぁ〜!?』って怒ってた人もいます。
私は……シュン、かなぁ。 教官が仰るように、抗議する資格がないっていわれたら、そうなんでしょうけど……何とも言えない気分です。
ただ、これから2組的には知りませんが、私的には社会科の19号教官は敵認定です。 いつかギャフンといわせてやります。 立場的に難しいかもですけど、2号教官は私たちを応援してくださいね。 今後とも宜しくお願いします。