再婚?-2
その日から、智美とちょくちょく会う機会が増えました。
とは言っても、機械の使い方や、消耗品が切れた時だけですが。
それでも、マサの心の中に、智美の存在が大きくなってるのは確かでした。
偶には志乃や清美、碧と遊ぶ事も有りましたが、マサはどうも気分が乗らず、気が入って無いよと、3人に叱られる事も・・・。
数か月が過ぎ、マサは自分の気持ちが抑えられなくなり、メールをしてしまいました。
(智美ちゃん、こんばんわ、今、メール大丈夫かな?)
<マサさん、珍しいですね、機械の調子ですか?>
(違うよ、機械は調子良いよ、俺の調子がイマイチでね)
<どうされたんですか?>
(あのね、恋煩いしたらしい)
<エ〜ッ、恋多きマサさんが?信じられないですよ。>
(そんな事、言わないでよ。今度話聞いてくれない?食事しながらでも)
<良いですよ、智美もマサさんが恋煩いしてる相手、気になるし>
(じゃあ、今週の金曜日空いてる?仕事終わった頃、迎えに行くよ)
(ラジャー、彼氏も居ないから、暇で〜す)
顔文字が沢山有るメールでした。マサは、これからの3日間を仕事も手に付かず、
過ごします。告白してもどうせ駄目だから、普段とは違い、気は楽なんですが・・・。
当日になり、マサは思い切り若作りして、出掛けました。
<あれ、今日のマサさん、何かカッコいい、凄く似合ってるよ。本当に50歳?>
(嬉しいね、智美ちゃんにそんな風に言われると舞い上がるよ)
<ハハハ、舞い上がるなんて、それウケる>
(マサには意味が解りませんでした・・・。)
少し高級な、個室居酒屋に入りました。
<マサさん、凄く素敵なお店ですね、若者には縁が無い所ですね>
(そうでも無いよ、以外にリーズナブルで、旨い物食べさせてくれる店だよ)
<ヨオッ社長、流石に詳しい・・・。>
(智美ちゃんには参るな〜、さて何飲む?)
<私、日本酒が好きなんですよ、良いですか?>
(そうなんだ、そりゃ嬉しいね、日本酒党とは、では吾輩がセレクトさせて頂きます)
<フフフ、それもウケる>
智美は、結構いける口で、日本酒を旨そうに飲んでます、2時間近くが過ぎ、智美もほろ酔いです。
<所で、マサさん、マサさんが恋煩いしてる人の話、聞かせて?どこの誰?>
(実はね、俺が今恋煩いしてるのは、目の前にいる女性なんだよ)
一瞬、空気がシ〜ンとなり、智美の顔も見る見る赤くなって行きます。
<エッ、私ですか?エッ、私?>
智美は、思いもよらなかった状況に、驚きを隠せませんでした。
(ゴメンね、驚かせてしまったね、でもね、本心なんだよ。迷惑かも知れないけど)
<迷惑だなんて思っていません。ただマサさんの様な、年上の方が私をなんて>
(俺も最初は可愛い子程度だったんだけど、智美ちゃんと何度も有って話している内に、凄く楽な自分が居たんだよ、何か癒されると言うか、上手く言えないけど、それで、ドンドンと心の中に、キミの存在が広がって来て、自分でも不思議なんだけど。)
(確かに、今まで色んな恋はしたし、1度結婚もしてるし、経験は多いけど、智美ちゃんのような齢の離れた子を好きになるのは初めての経験なんだ)
(智美ちゃんの前だと、素の自分で居られるんだよ)
<マサさん、実は私も同じなんです、マサさんの前では、格好つけなくて良いし、凄く楽です、本当に24歳も離れてる気がしないんです>
<マサさん、少し時間を下さい。智美も真剣にマサさんの事考えてみます。でも、結論が出るまでは、友達として、付き合って下さい。普通にデートもしてみたいから>
(解った、有難う、智美ちゃん)
<アッ、マサさん、ちゃん付けは止めて下さい。智美と呼んで>
(わかった智美。何か凄く嬉しい)
マサは、そう言って少し涙ぐんでしまいます。
<マサさん、何も泣かなくても>
(ゴメンね、年取ると涙腺が緩んでしまって)
<やっぱりそうなんですか?母親もいつもTV見て泣いています。>
(こう言う所は、齢が隠せないね。)
(じゃあ、智美ちゃん、違う智美、2人の出会いに乾杯!!)