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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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家族になろう-3

「御免なさいね、それじゃお願いね。」
「はい!お任せ下さい。」

2階の私の自室にその例の赤ちゃんを預け、母と奥さんは再び居間へ降りる。

「さぁー坊やじゃなかった、お嬢ちゃん寝んねしましょうねー♪」

小さくて可愛らしいその子を軽く揺らし風馬君に用意してもらった私の布団に寝かしつけた。

それから寝かしつけたは良いけど起きているので、ボール遊びをしてあげた。

「ほらっ!行くよ、それ!」
「あーきゃはははぁ♪」

風馬君が投げたボールをその赤子が無造作に遠くに投げる。

「あーあぁ、机の隙間に入っちゃたよぉー。」
「きゃははは♪」

赤子に振り回される彼、何だかその光景に思わずクスリと来てしまう。

「良いね風馬君。」
「…良いって何が?」

机の隙間に腕を伸ばし力みながら会話する。

「素敵なイクメンって事よ、やっぱ風馬君は子供からも愛されるんだね。」
「あはは!ほめ過ぎだよ。」
「そんな事ないって、やっぱ純粋な優しさから来てるんだよ。」

ようやくボールが取れ、抵抗力の低い赤子を配慮しティッシュで菌を拭き取りキャッチボールを再開し。

「それ言い出したら若葉ちゃんだって、抱いている時とても母親らしかったよ。」
「まぁ、本当?」

…私もこの子くらいの時は母に。

「そろそろ、ミルクの時間ね。」

奥さんから託された哺乳瓶をその赤子に飲ませる。その姿を穏やかな目で見つめる彼。

「若葉ちゃん、本当に子供の扱いが上手だよね。」
「そうかもねー。」
「将来保育士何て似合うんでないかい?」

保育士、かぁ…それは嘗て母が目指そうとした道。

「…何だか、こうして居ると僕ら結婚して出産したみたいだね。」
「ふふ、ホント…近い将来アパートで暮らして、今みたいに。」
「僕も仕事から帰って寝静まった子供を見たりして。」
「柊若葉、から野村若葉となって。」
「おばさんやお母さんがたまに遊びに来たりしてさ。」
「うんうん。」

赤子に穏やかな視線を送り幸せな未来絵図を思い浮かべる私達。

「いずれか君と結婚して僕と君の愛の結晶を授かってさ、家族になろうよ。」
「…うん。」

心配していたお爺ちゃんの店もどうにかなりそうで、私たちは微かに私と風馬君の幸せな未来絵図を思う描く事が出来た。

次回、48話に続く。


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