Girl Meets Devil 〜そのW〜-4
そう言われれば、アイツに血を吸われたことは無かったな……
「……いえ。でも、どうしてそんなこと聞くんですか?」
「知り合いに聞いたのだが、悪魔は長い間血を吸わないと稀に身体の抵抗力や免疫力が低下するらしい。今回はそれが原因じゃないかと思っている。」
「アイツはそんなこと一言も…」
「いや、これはかなり稀なケースだから悪魔王と言えども知らなくて当然だろう。それに始めの頃はお前は神道を遠ざけていたからな。だから、アイツもお前を気遣って血を吸おうとしなかったのだろう。」
「それじゃあ…やっぱり、私のせいで………」
「あ、いや…お前のせいじゃない。それにすぐ血を吸わせてやれば、簡単に回復するらしい。」
「本当ですか…?」
「ああ。お前がいいのならな。」
「さあ、準備はいいか?」
「ちょっと待って下さい!吸われるってどうするですか?」
「そりゃあ…首筋にガブッと……」
「ガブッと……ですか?い、痛いですよね?」
「それは大丈夫だ。悪魔に血を吸われると酒に酔った状態と同じになるらしい。だから痛みはあんまり感じないらしい。」
「……わかりました…」
「き、恭夜!」
「……なんだ…茜…声がうわずってるぞ……」
「あのね…病気……血を吸うと治るみたいなんだけど……」
「……いいのか?」
「……うん…だって、契約しちゃったし…それに早く治ってくれないとこっちも困るし……」
「……ありがとうな……」
そう呟くように言うと、恭夜はゆっくりと起き上がり、そして私をそっと抱き締めた……
「は、初めてだから痛くしないで……」
「……誤解を招きそうだな…その台詞……」
「ば、馬鹿!」
私は恐怖のため恭夜の体をぎゅっと抱き付いていた………
そして…首筋に唇が触れ、一瞬鋭い痛みが電気の様に全身を伝う…
くぅ……先輩、結構痛いじゃないですか………でも、何だか身体が暖かい……ああ……頭がクラクラしてボ〜っとしてきた……ダメだぁ…もう何にも考えられ……な…い……
「んっ……アレ?いつの間に朝に?…あいたたたた……頭がガンガンする…昨日、恭夜に血を吸われて、それからどうなったの?……そうだ…恭夜はどうなったんだろう……」
痛む頭とだるい身体を引きずる様にしてキッチンへと向かう。
「…恭夜…大丈夫?アレ?何で先輩がいるんですか?」
そこには、朝刊を読んでいる葛城先輩がいた。