欠ける月々〜さよならの日々〜-3
「えぇ、言ってましたよ。悠と付き合うには器がよっぽど大きくないと無理やろー、俺には無理だなって」
その文字が、その全てを物語っていた。
カチカチと時計の音だけが鳴る。時間だけが過ぎていた。
私は私で、たつさんのくしゃっとなった笑顔だけを思い出していた。
あぁ、そうか。
それしか思えなかった。
悲しいというか、やっぱりなというか、受け入れるしかないというか。
あぁ、そうか、そうなんだ、
そうなんだな。。。
気付いたら、ボロボロ涙が溢れていた。でも、自分でもどうして泣いているのかわからなかった。
わかっていたはずだ、何の期待をしてもむなしいことだと。
彼は私のコトを可愛い後輩としか思っていないということも。
でも、気持ちのどこかで期待してたんだ。
あの5月29日から、何かが変わることを。
「また行こう」と言った言葉に、何か色んな意味が含まれていることを。
ワクワクするような、心がはずむような、そんな意味を…
私は勝手に期待していたのだ。
「そう…か。」
ぽそっと一人つぶやいていた。気持ちをすっと落ち着けたかったんだろう。
そんなことで落ち着くくらいなら、私こんなに苦しくもなかったのに。
私は和樹の側にいよう、それがきっと幸せだ。
そっと携帯を閉じて、眠りについた。
あなたの笑顔を想いながら…