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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第一章 脅迫されたOL-11

「ああっ……、は……、ア、アスカちゃん……」
 恍惚とした土橋の声が聞こえた瞬間、ガタン、と音がした。
 土橋の側ではない。向こう側だ。パソコンにビルドインされたものではない、外付けのウェブカメラだったのだろう。おそらくはモニタの上部に取り付けていたものが外れて落ちた。天地を目まぐるしく映して転がり落ちたカメラは上向きで止まり……、あっ、と驚いている女の顔を映し出した。白濁が垂れ落ちた液晶画面だったが、美しい女の顔がハッキリと映し出されていた。
(なるほどね)
 この事故でアスカの顔がバレしまい、
「ひ、広瀬さんっ……、広瀬、し、汐里さんっ!!」
「えっ……! ちょっ!!」
 驚いた土橋が名前を口にしたということは、知り合いだったというわけだ。女は慌ててカメラを塞ぐが、時すでに遅しだ。平然と「誰、それ?」とでも言えば誤魔化せたものを、本名をフルネームで呼ばれて、思わず反応してしまっては、はいそうです、と言っているようなものだ。
(バッカだなぁ、この女)
 愛梨という愛しい恋人がいる保彦にとっても汐里は美しく、ソソられる女だった。ルックスの良さが自分でもよく分かっているのだろう汐里は、女慣れしていない土橋を焦らしに焦らし、焦らしまくって金をせしめてきた。そして、こんなふとしたことで知り合いであることがバレてしまったのだ。
 気の毒というよりも、ざまあみろといった思いの方が強い。
 自分が女性蔑視をするような男だとは思っていない。だが汐里のメッセージのやり取りとチャットの様子を見ているだけで、自分の美しさを鼻にかけ、モテない男を下に見ているのが伝わってきた。そしてこういった事故があることも予見できずに、土橋に後ろめたいアルバイトをしていることを知られてしまう浅慮さが、保彦の同情を全く買わなかった。
 その女がこれからやって来る。メッセージのやり取りを速読すると、動画ファイルをバラ撒かれたくなかったら、セックスさせろと脅迫され、軽蔑の言葉をいくら吐いても、この動画を公にされたら困るのだろう、最終的には忸怩たる思いで了承していた。
 年下の須賀から休職に追い込まれ、小田とかいう上司からは疎んじられている土橋は、きっと汐里の目にも最底辺の男として映っていたに違いない。だがそんな土橋とのセックスをOKしてまでも、汐里は動画の流出だけは避けたいのだ。たかが胸乳を晒しただけだが、そもそもこんなバイトをやっていたことじたいが、きっと汐里にとっては大きな弱みなのだろう。
 今日が土橋にとって人生最高の日になるはずだった。カレンダーアプリを開くと、今日の予定のところに、『童貞卒業記念日 兼 性奴隷獲得記念日』と記入されていた。
 ここまで楽しみにしていたのに、保彦と肉体が入れ替わってしまったのだ。
 汐里を蔑んだ分、土橋に対する同情が強い。
 眠りこけた時、愛梨に勃起したのは許しがたい。だが、この憐れな中年男のために、鼻につくOLを懲らしめてやるのはやぶさかではない。




 昂奮した面持ちで、再び顔を近づけていってやると、
「ばっ! やめ……っ、ちょっとっ、オッサン!」
 脂が光り、触れることすら躊躇われる土橋の禿頭を、しかし汐里は背に腹は変えられぬと両手を伸ばして、脳天を抑え付けた。保彦の思った通りの行動に、パッと頭の上にあった両手首を掴み、まっすぐ下方に腕を引いて動かせなくした。
 土橋の汚らしい唇を汐里のデルタに襲いかからせる。
「やあっ!」
 屈辱に濁る悲鳴が聞こえた。
 捩れたスカートの裾を越えて見上げると、思わず女っぽい悲鳴を上げてしまった、汐里はそんな悔しげな顔をしていた。
 その表情が保彦へ更なる嗜虐心を補った。ピッタリと吸着させた唇の中から舌を差し出し、クロッチが食い込み始めた柔丘へヌルリ、ヌルリと突き込む。ストッキング越しに舐めた時から滴るほどの唾液を含ませてやっていたから、舌先へショーツ越しに肌の滑らかさが伝わってきた。
「や、やめてっ……」
「んむぅ……広瀬さんのパンティ、おいしいよぉ? ……うぶっ、ま、まだ、お風呂入っていないから、いっぱいエッチな味がするっ……」
 股間に顔を突っ込んだまま、仄かに舌を刺激してくる味覚。一日を過ごした、まだシャワーを浴びていないデリケートな場所を、味われたことなどないだろう。
「や、……やめてっ!」
 汐里は身を激しく捩って、下腹から土橋の頭を外した。
 膝立ちで追いかけてやる。汐里は、ひっ、と顎から涎を垂らして迫りくる野獣に後ずさりしようとしたが、手首を掴まれていては逃げようがなかった。


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