欠ける月々-2
「言えないですよ〜」
やっぱり。
「だろな〜」
気にも止めないのね。まぁ、いいけど…
「でも、悠はさ、和樹と一緒にいるのがいいよ」
…
え?
あ、やばい、動揺しそう。
ここは普通にしとかないと、おかしく思われる。
「えー、そうですか?」
いつも通りな笑顔、のつもり。
「そうだよ、俺、悠と和樹の関係は理想やから。
束縛しなくてさ、お互いに信頼しあってて、マジ羨ましいと思ってんだから」
世界が一瞬とまった気がした。
静まりかえる負の世界。
「そんなことないですよぉ、あたしは大したことないんです。和樹がおかしいん
ですよ。」
「おかしいって?」
「なんでそんなに一途なのかって」
「あー、そやなぁ。でもアイツ悠が初めてじゃろ?だからじゃね?」
「そっかぁ、なるほど◎」
私は和樹みたいに一途になれない。
和樹を大切にしろって言う、
そんな貴方が好きだったのに。
私は何をしてるんだろう。手放す勇気もなけりゃ、飛込む覚悟もできない。
ちっぽけな自分。
その後は ただただたわいもない話ばかりしてた。
話せど話せどつきなかった。
後輩達の話
お互いの家族の話
たつさんの留学先の話
昔の恋愛話…
気を使ってしまうのかと思いきや
悲しいことに意外とフツーに話せてしまった。
いっそのこと
合わないと思えたら良かったのに…