記憶-3
「嫌じゃ、ないってば、、」
「、、また嫌いって
言われると思ったー。」
「 ぇ? 、、ぁ 。」
2人はソファーに座ったまま、
タクミはちづるの上半身を
抱きしめた。
ちづるは、昨日自分がタクミに
『嫌い』と言った事を思い出す。
思い出した瞬間、
胸が苦しくなる。
「〜っ 、、 っ 、、」
「ちづちゃん?」
震えてる
「〜っ ぅ、 、、〜っ」
「、、泣いてんの?」
「 〜っ 泣いて ない 」
「、、、。
おねしょがショックだった?」
「〜っ! 、 、、」
「、、大丈夫だって。」
「、、〜っ 何が?
何が どう大丈夫なの?」
「 んー?」
「大丈夫じゃ ないもん
だって、 私 、、
なんにも覚えてない 〜っ」
「、 、、、。」
「覚えてないなら
治しようが 〜っ ない 」
「 まぁ、、 うん。
でも 俺は人に言わないし。」
「〜っ 、、だから、、
そういう 〜っ
心配は してない 」
「、、じゃー、、
何が辛いの?」
「、、 〜っ ぅ っ、
〜っ ふ ぅ っ
タクミ 君が 」
「 俺が? 」
「〜っ、、 っ ふ 〜っ
うぅっ 、、 ふ 」
「俺はー、、。
変な風に 思わないよ?」
「〜っ っ 〜っ ふ ぅ
〜っ ふぅ 〜っ」
そう言うと 思った
タクミ君は 優しいもん
〜っ 、、〜っ
だから
早く
ちゃんと しなきゃ
「、、〜っ もう 本当、
大丈夫だから 」
「、、 、本当?」
「うん。 ご飯、作る、、」
「、、ん。」
ちづるは立ち上がるとキッチンに
向かい、朝ごはんを作った。
テーブルに並べると
「いただきます。」と言い
2人は食べ始める。
ちづるは、
自分が落ち込むと
タクミが気を使うと思い
なるべく明るく振る舞った。
テレビの話や仕事の話などをする。
タクミは
ちづるが健気に
自分に気を使わせないように
している事を感じ取っていた。
そして、
昨日の事を思い出し
ほんの少しだけ胸に罪悪感がひろがる。
ちづるの話を聞きながら
別の事を考える。
「、 、、、。」
言えなくなっちゃった
昨日の タオルの
あれ
おしっこじゃなくて
ただの水だ なんて
タクミは、昨日の事を思い出す。