記憶-2
タクミはあくびをしながら言う。
「えー? 今だよー。
、、、。」
「そっ か! 、、何?」
「ん? んーん、トイレ、、」
「ぁっ!
そっか ごめん っ!」
ちづるは慌てて場所をあける。
タクミがトイレのドアを
開けながら言う。
「パンツぐらい履いたら?」
「えっ? 、、っ !!! 」
ちづるは慌てて寝室に行った。
2人とも休みの為、
部屋にはのんびりとした空気が流れ
タクミは部屋着のままソファーに座り
テレビを観ている。
しかし、ちづるの心は穏やかでは
なかった。
洗濯機をかけ、朝食の準備をする。
タクミに昨日の事を聞きたいが
怖くて聞き出せずにいる。
コーヒーを入れてる最中も
ずっと上の空だった。
タクミがテレビを眺めて
ポツリと言う。
「1日雨かー。」
「 えっ?」
「ん? 今日の天気。」
「えっ? そうなの?
ぁっ 本当だ、、」
「、 、、、。」
いつもは俺より先に
外の天気 確認するのに
、 、 、 、、。
もしかして
昨日の
タクミは
マグカップを持ちながら
立ち上がり、
キッチンに立つちづるの元へ行く。
「ねー。
もう1杯ちょーだーい。」
「 んっ ? 、、ぇ?
あ、コーヒーね。
私も、飲もうと思ってたから
すぐに沸くよ 」
「タオル、洗ってんだね。」
「 ぇっ!? 」
「ちーぃちゃんの
おねしょタオル〜
洗濯中 〜 」
「、!!! 、 、 、。」
嘘
「 、 、、ふふ、
なんちゃってー。
、 、、、。
あれ さぁ、 」
「ぁのっ 、、 私 〜っ
〜っ 」
「 ん?」
「 私、、〜っ ぁの
ぁっ ! 〜っ
、、、パン。
買ったんだった
〜っ 、、食べなきゃ
早く 食べないと
賞味期限 せまってる の 」
「え? 、 、、。」
ちづるは
棚から菓子パンを取ると
ソファーに座り、袋を開け始めた。
「、、、ちづちゃん?」
その時、
やかんのお湯が沸いた。
タクミは火を止めて、
自分でコーヒーを入れながら
ちづるを見つめる。
ちづるは、
テレビの方を見つめながら
黙々と菓子パンを食べている。
タクミはコーヒーを持つと
ちづるの隣に座りながら言う。
「 、、、。
あ、それ美味しそー。
ホイップクリーム味?
一口ちょーだーい。」
「、 、 、、〜っ 、、」
「 ? 」
「、、〜っ、、ゃだ。 」
「、、ぇ ? 」
ちづるは黙々と菓子パンを食べる。
飲み込むとすぐに、
ちぎったパンを口に詰めこむ。
目に、涙が浮かんできている。
タクミが驚いて言う。
「ちょっ、、
ゆっくり食べなよ。
苦しくなっちゃうよ?」
「〜っ 、、〜っ 」
変な所なんて
きっと 一生 治らない
だって いつも
失敗の 後だもん
「ちづちゃん、、?」
「 〜っ 、、 っ 」
いつも
終わった 後だもん
『治す』なんて
最初から
無理だった
「〜っ 、、 」
「大丈夫?」
「、、〜っ 、ん、大丈夫
だって、私 」
「ん?」
「大人だから。 」
「 、 、 、、、。」
「 〜っ 、、、 」
何 してたっけ
そうだ
朝ごはん
早く 作らなきゃ
「、、作んなきゃ、ご飯 」
「じゃーあーー
大人なちぃーちゃんを、、」
「 、、ぇ ? 」
「抱っこさせてー?」
「、! 、、、、。」
「 嫌?」
「、、嫌じゃ ないけど、、」
「本当? なんか嫌そー。」