タコパの話-1
その日の夜。
タクミはバイトを終えて
いつものようにちづるの家に来た。
2人とも夕飯前に風呂に入り、
いつものようにくつろいで
夕飯を食べる。
話題はやはり
たこ焼きパーティーの話だった。
少し話した後にちづるが言う。
「やっぱり自信ないなぁ。」
「大丈夫だってー。
知可子さんだって俺がいたら、
ちづちゃんに彼氏の事とか
聞かないっしょー。」
「っ んーーー、、
あの子は、、お酒が入ったら
分からない。」
「ぇーー? そうなの?」
「ふふっ、、 まぁ
翌日とか、色々忘れてくれる
良い子なんだけどね。」
「 そーなんだ。」
2人は笑う。
タクミが、おかずの煮物を
つつきながら言う。
「やっぱーー、、
俺には、来ないでほしい?」
「 え?」
「俺いなかったら、
気楽に楽しめるもんねー。」
「っ んーー、、、。
ううん、そんな事ないよ。」
「ぇー?
無理してない?」
「してないよ。
パーティーなら、人数多い方が
楽しいもん、きっと。」
「、 、 、、。」
「たこ焼き機、いいなぁ。
私も買おうかな。」
「、、、。
そういうパーティーとか、、
好き?」
「 ぇ?」
「あーー、、。
いや、ちづちゃん、意外と
友達とかで集まるの
好きだよね。」
「ぇ? 意外?
そーかなー?
でも、うん。 好きだよ。」
「、、、そう。」
「 ? うん。」
夕飯が終わると、
ちづるはお皿洗いを始める。
タクミはテレビを観ているが、
考え事をしている。
常盤ちづるがどういう人間か
改めて考えていた。
「、 、 、 、、。」
ちづちゃんは
話しかけにくい雰囲気だけど
本当は
お喋りとか 好きで
健の言う通り
気さくな人 だよなぁ
健 、 、、
『なんか常盤さんてさぁ。
苛めたくなっちゃうよね。』
あぁ
やっぱり か。
絶対 あるんだよ
ちづちゃんが
苛めてくださいオーラ
持ってる
「、 、 、、っ はーー。」
タクミはため息をついて、
お皿洗いをしているちづるの背中を
じっと見つめる。
お皿洗いが終わった。
なんとなく視線を感じ
振り向くとタクミがじっと自分を
見ている。
「 ? なぁに?」
「っ はぁ、、。」
なぁに? じゃなくて
ちづちゃんには もっと
まぬけじゃない大人に
隙のなさそうな女に
なってほしいかも
「、 、、、。」
「 ? 〜っ
私、、なんかついてる?」
「、 、、ちづちゃんて、さぁ」
「 っ 、、うん。」
「ぁーー、、 いや、
やっぱ、なんでもない。」
「、、〜っ なぁに?
気になるよ、、、。」
ちづるは、エプロンを外しながら
タクミの元へ行きタクミの隣に
腰を下ろす。
黙るタクミの隣で
ちづるはハラハラしている。
タクミが近い距離で
ちづるを見て言う。
「ちづちゃんて、 、、」
ちづちゃんは
やっぱり モテる女だ
でも 本人はそこ
自覚してんのかな
、 、 、 、 、、。
どっちかっつーと、
自分に
コンプレックスのが
多く感じてそうだよな
鼻血 とか
おしっこ とか
「、 、、うん。」
「、 、 、、。」
だから
そうだ
自分は モテるって
自覚させないように
「〜っ あたし、
大丈夫、、。」
「 ? 何が?」
「、っ なんでも、
言って?」
「、 、 、、。」
「、 、、やっぱり 」
「 ? 」
「 変? 」
「え?」
「私、、、。
タクミ君から
変に、、変な人に見える?」
「、 、 、、 。」