3文字-2
タクミは体勢を変える。
手で頭を支え起こし、
仰向けになっているちづるの顔を
近い距離で覗きこむ。
「まぬけ。 です。」
「、 、、え ?
まぬけな 大人?」
「うん。」
「、、、。 あの、どこが?」
「、、、。」
「どの辺が、、
まぬけ なのでしょう?」
「、、全部。」
「 ぇっ ?」
「行動全部、、かな。」
俺達の始まり方も
ちづちゃんが怪我したり
リモコンの上に座って
エロDVD 起動させたり
ちづちゃんが まぬけだから
始まったと 思うんですけど
「まぬけ、、かなー?私。」
「っつーか。
真面目に見られてると思える方が
不思議ーー。」
「、 、、んーーー。
まぬけは、
言われた事ない、、。」
ってゆーか、間抜けって
なんだっけ
ドジ? みたいな?
「 っ はぁ。」
「、 、 、、、。」
タクミは、元の体勢に戻ると
壁の方を向いて再びスマホを
いじり始めた。
ちづるもなんとなく体勢を変え、
うつぶせになり
独り言のように呟く。
「まぬけ 、、か。
本当にそうなら
治した方がいいのかなぁ。」
「うん。 でも、、」
「?」
「無理でしょ。」
「ぇーーー、、? 」
「だって、自分のどの辺がまぬけか
分からないでしょ?」
「んーーとーーー、、。
うん。」
「だから無理ーー。」
「どの辺、なの?」
「だからーー。
全部。だってば。」
「、 、 、、はぁ。」
ちづるは小さく
ため息をつくとモゾモゾと体勢を
変えて、タクミの背中におでこを
くっつけて目を閉じた。
すると
女の喘ぎ声が聞こえる。
ちづるは驚き、目を開ける。
喘ぎ声はタクミのスマホから
聞こえる。
タクミ背中の位置からスマホを
覗きこむと、エロ動画がついていた。
ちづるは動画でセックスを
している女の子をじっと見る。
どこかで、観たことのある顔だ。
「、、ぁ 」
ななみちゃん だ
AV女優のななみだった。
ちづるは以前、ななみの写るDVD
を割った事がある。
タクミが動画を見ながら言う。
「これ、サンプルみたい。」
「、 、、そっ か。」
「動画、1500円だって。
買おうかな。」
「、、、そういう子が、好き?」
「 ぇ?」
「 ぁっ 、、」
何言ってんの? 私
「ぁっ、、別にっ
深い意味じゃなくて、、〜っ
タクミ君のタイプ、とか、、
聞いたことないなって
思ったから、、 。」
「、、タイプ? 」
「そうっ! そう、、、
色々、あるでしょ?
目が大きい方が、いいとか、、」
「タイプねーー。
どんなだろ。
改めて考えると難しーねー。」
「、、 そっ かぁ、、。」
あ 。
やだな
私
今 きっと
ゆかちゃんが
どんなタイプの女の子か
探ろうと したのかも
「まーー、、ひとつ、分かるのは」
「 うん。」
「まぬけじゃない女ー。」
「 ぅっ !」
「、、ふふっ
う っそーー。」