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おっぱい搾乳訓練所
【学園物 官能小説】

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20.うんち生産-3

「……ふぅん」

 そんなひなこに、和美は少なからず驚いた。 これまで面倒をみた新人は20名を下らないが、初日の第一回目の訓練から、こうも的確に行動時間を計算した子は初めてだ。 外貌が幼いせいで少々甘く見ていたが――実際手先は不器用だし、行動はお世辞にもテキパキしていないが――頭の回転は中々だ。 【次に研修を受けに来る生徒は『学園』の在籍生徒で、『学園生』は優秀』だ】という前評判は、それなりに的を射ているらしい。

 状況が理解できているなら、足らない情報を補足すれば事足りる。 和美は、コホン、咳払いを1つした。

「ひなこちゃんさ、偉いよ。 飼料の内訳も、消化の時間もだいたい合ってるし、驚いちゃった。 どこで習ったの? 『学園』?」

「……そうです。 生体工学の授業で習ったです」

「だったら『強化』した『うん子』の特性も加えなきゃ。 彼女たちは草食に特化してるから、繊維質は私達より遥かに早く消化できる。 具体的には4時間もあれば十分ね」

「えっ、そ、そうなんですか?」

 今度はひなこが目を見開く番だ。 鷹揚に頷く和美。

「そうなの。 でも、手術とか改造の類じゃない。 あたし達も同じで、草ばっかり食べさせられてたら、身体が草に適応するの。 ほら、生き物が環境に適応するのは、世代レベルと個体レベルがあるでしょう? 個体レベルだって、捨てたものじゃないってわけ」

「私達だと食物繊維の消化に8時間かかる、って習いました。 それだのに、たった半分の時間でできちゃうんですか……」

「そういうこと。 一応訓練はしてきてるのよ、この子たちも。 それからもう1つ。 ひなこちゃんは1度で全部食べさそうとしてるけど、そんな必要ない。 寧ろ分けた方が賢明よね。 2回か……できれば3回くらいに分けたいかな。 一度食べた分のオシッコを出させて、少しでもお腹を軽くしてから次の飼料を食べさせた方が、お腹の負担は軽くなるの。 その分私達は手間だけど……この子たちがしっかりウンチすることを考えたら、どっちがいいかは言うまでもないよね」

 コクコク。 ひなこは何度も頷きながら和美を見つめる。

「給餌の基本は『抽入』『ストッパー』『排尿』の繰り返し。 ちょっとでも吐く気配が出た時が『ストッパー』のタイミングね。 今まで見た感じだと、ひなこちゃん、ワンテンポどころかスリーテンポくらい遅いなぁ。 もう少しゆっくり抽入しないと、タイミングが解んないんじゃない? 筋が悪いわけじゃ全然ないし、次からはその辺に注意してやってみたらいいと思う」

 コクン。 ひなこが大きく頷いた。
 
「はい! 頑張るです!」

 何度も嘔吐されてジタバタしていた時とうって変わった、前向きな態度だ。 返事もさっきまでより明らかに大きい。

「そう。 その意気が一番大事。 絶対、1人も残さず、全員合格させようね」

「はいっ」

 そういうとひなこは爪先立ちし、給餌チューブを手に取った。 和美の助言通り、嘔吐を繰り返した最初の少女はしばらく置いて、隣の少女の『口栓』を外し、チューブに繋げる。 恐る恐る、けれど的確に、チューブから直接喉へ流動飼料を送り込む。 その姿からは『嘔吐』の前兆を感じるべく、集中している様子が見て取れた。

「……」

 和美はひなこの小さな背中を見つめる。 『全員合格』は、実は『ひなこ』の課題でもある。 『20名の【うん子】が全員合格すること』が、ひなこが『Cランク研修』を修了する条件だ。 『再検査の平均合格率80%』、『研修生の研修修了率20%』――或る意味少女たち以上に過酷なミッションが、ひなこの上にのしかかっているといえるだろう。 そしてこの条件のことは、ひなこは何も知らされないし、和美が教えてあげることもない。 

 ひなこ達が汚物と真摯に向き合う日々、まだまだ始まったばかりである。



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