7.おっぱい反省-2
……。
時刻は20時ちょうど。
「おまちかね〜♪ いまから反省タイムです♪」
「……」
楽しそうなみさきと、俯く朋美が好対照。 一方的に水をホースで浴びせられるだけのシャワーでも、水に濡れた肌は生気を取り戻したように見える。 ただ、表情の暗さは、シャワーではどうにもなりはしない。 朋美の眼窩にはしっかりクマが出来ていた。
「今日一日を振り返って、反省点を述べて下さい。 ちなみに、私は色々メモしてますよ。 私が気づいて自分が気づかないなんて有り得ませんからね。 最低でも私が気づいた以上のことを反省してもらいます。 反省できていなかったら、ちゃんと反省できるまで『搾乳環』でお乳に尋ねる予定です。 あ、これは『ペナルティ乳搾り』には入りませんよ? 気づかない朋美さんを助けるための、お乳の芯まで思い出させるための、まあ、いわゆるヒントと思ってくださいね」
「うぅぅ……」
朋美は無意識のうちに身構えてしまう。 まだ出会って1日経たないけれど、みさきが楽しそうであればあるほど、自分は碌な目に遭わないことに、薄々朋美は気づいていた。
「どうですか? 思いつきますか??」
「あ、あの……すいません。 どんなところが反省点なのか、あたしがどうとかじゃなくて、例えを挙げて貰ってもいいですか」
おずおずと尋ねる朋美に、さもありなんと頷くみさき。
「例えば、今日はおっぱいでましたか? 十分におっぱい搾ってもらえましたか? おっぱいは強く搾ってもらえましたか? おっぱいを搾ってもらう態度は、相応しかったと思いますか? 色々反省点はあると思います」
「おっぱいが出たかどうか……搾ってもらう態度……ですか……」
「それじゃ朋美さん、反省、初めてください」
反芻する朋美と、にこやかに促すみさき。
「――……」
スゥー、朋美は深く息を吸う。 頭の中では、今日の出来事がメリーゴーランドのようにクルクル回る。 正直言って、今まで生きてきた中で、明らかに一番訳が分からない連続――そんな中で自分が何を求められているのか、朋美には朧げに分かる気がする。 まだはっきりと言葉にはできないけれど、反省という名目で何か自分を評価することを課せられるならば、理由を問わず『お乳がでないこと』にかこつけて、ただただ自分を貶めればいい……。
「朋美は、いえ、朋美の大きいだけでだらしないおっぱいは、いっぱい搾ってもらったのに、一滴もお乳が出ませんでした。 お乳が出なかったことを反省します」
「そうですね。 たしかに出ませんでした。 それについては、これからどうしますか」
「……お乳をだすために、もっとたくさん搾ってもらおうと思います」
「なるほど、もっとたくさん……ですか。 それはつまり、もっと激しく、長い時間、お乳を搾って搾って搾り抜いて欲しい、ということで宜しい?」
「……はい。 朋美の大きいだけでだらしないおっぱいを、し、搾って搾って、搾り抜いてください」
「ギュウギュウに搾って欲しいんですね?」
「そ、そうです。 ギュウギュウに、いえ、朋美のおっぱいがカンカンになるまで搾ってください」
僅かに逡巡するも、きっぱりとした口調で朋美は言った。
「モミモミする強さはどうです? このままでいいですか?」
「えっ。 つ、強さは……その……あの、このままでいいんじゃないかって……」
一転、しどろもどろになる。 朋美にとって、長い事搾られるだけなら耐えられるが、もっと痛くされるとなると、平常心ではいられない。 出来るなら搾る時間を伸ばすだけで納めたい内心が透けてしまう。
「だって、おっぱいをよく搾れていないから、お乳でないんですよ」
「それは……そうかもしれないですけど……うう」
「今日は一滴も搾れなかったと認めた上で、このままでいいんですね?」
「うう……よ、よくない……です」
ジッと真正面から見つめられ、朋美は俯いて視線を逸らす。
ダメ。 朋美にみさきは誤魔化せない。 もともと嘘をつくのは得意じゃなかった。
「では、強さはどうしますか」
「……もっと……強く、お願いします……」
「よく聴こえないです。 もっと大きな声で」
「も、もっと強くモミモミしてください。 朋美の大きいくせにお乳がでない、みっともないおっぱいを、お乳が出るように強く、ギュッと搾るみたいにモミモミしてください……あぁ」
言った矢先に後悔するも、口にした言葉は消すことは出来ない。 明日の特訓乳搾りでは、きっと今日と比べて強くおっぱいを搾られることになる。 願わくば搾る強さがそこまで増さないで欲しいが、どうなるだろうか。
まだ反省の強要は終わらない。
「自分の態度についても、一言話して然るべきです」
「あの、ええっと……そのぉ、あ、あまりよくなかった……と思います」
「具体的に教えてください」
「その……お、おっぱいビンタをいただいた時、下品にオシッコを、も、漏らしてしまいました。 申し訳ありませんでした。 あと、自分でおっぱいを揉む時も、その、痛くないよう手加減してしまって、みさきさんに沢山叱られました。 申し訳ありませんでした」
ペコペコ。 何度も頭を下げる朋美。