窺い知れぬ未来-1
「誠さん、いく!」
重なった途端にイーラが叫んだ。まだ始めたばかりだった。体は快感の極まりを表して、反射的に反り返り、僕の腰回りを温かく濡らした。
波が収まると、すぐに次がやってきた。
「あ、だめ!」
イーラの体が痙攣する。金髪が布団に張り付くほど汗をかいている。高熱が出ているのが腹の中からでも分かる。女はこういうときに熱を出すものか僕は知らない。少なくともこれまでイーラにそういうことは無かった。
きのうも同じ様子だった。ことの前後は元気だったから、病気だとは思えなかった。
イーラの腹の細かな動きに僕が耐えられなくなっても、イーラのほうはまだ止まらない。
「誠さん、あたし死んじゃう!」
叫んだイーラは気を失ったようになったが、歓びの痙攣は繰り返して止まらなかった。首も背骨も手足も引きつって、勝手な方向へ不自然に動いている。見開いた瞼に白目だけが見えている。
少し怖くなった僕は、離れて体をさすってやった。そのあいだ、女の子のところは生きた貝そっくりに素早く閉じては開き、引きつりの波に合わせて白や黄色の汁を吐き出した。膨れ上がったピンクの肛門からは、太い黒みがかった便が、出口を見つけた虫のように飛び出した。
手足を突っ張って口の端に泡を吹いたあと、イーラの痙攣は治まった。そうして深い寝息が聞こえてきた。
「イーラ、大丈夫か?」
頬を叩いても全く反応しない。熱は下がっていた。抱いてシャワーを浴びさせてやったが、ぐったりと眠りきったままだった。
僕はシーツを取り替え、裸のイーラをベッドに横たえた。少女の美しさが改めて鮮烈な印象となって僕の脳裏に焼きついた。耳にも、臍にも、小指の爪にも気品があった。女の子の印である溝は腫れて膨らみ、それが、白い体の真ん中に、ほんのり紅色の微光を浮かべていた。