苛立ち-2
リビングの部屋は豆電球だけが
ついている。
ちづるは、
ソファーの上で横になり
掛け布団を頭までかけていた。
タクミが
ゆっくりとちづるの元へ歩きながら
静かに言う。
「、 、ちづちゃん。」
「、 っ、、」
声をかけると、布団の中のちづるが
ぴくりと動いたような気がした。
タクミは
ちづるの頭の近くで
ソファーの下のじゅうたんに座る。
リモコンを持つと、
部屋の灯りをつける。
「起きてるんでしょ?」
「、 、 、、。」
「俺、明日じゃなくて
今話したい。」
「、 、 、、。」
「 話、聞いて?」
「、 、 、、 、やだ。」
「なんで?」
「 明日が いい。」
「、、俺は、今日がいい。」
「、 、 、、やだ。」
「、 、 とにかく、
顔みせて。」
タクミは掛け布団を取って、
ちづるの頭だけでも出そうとする。
しかしちづるはうずくまり、
掛け布団を中から
握りしめている。
「、 、 、、っ 」
タクミは、
力をいれて
思いきり掛け布団を引っ張った。
掛け布団は勢いよく離れ、
ちづるの身体全体からはがれた。
タクミは
ちづるを見て唖然とした。
「、 、、 ぁ 。 ぅ 〜っ」
「 っ !
、、、。ちづちゃん 」
唖然とした後、ちづるが何故
掛け布団を離さなかったのかを
徐々に理解してゆく。
布団をはがしたソファーの上には、
タクミの今日、
身に付けていた物が
ほとんど全てあった。
制服の上下。
シャツ。
下着。
ちづるはゆっくりと半身を起こして
ソファーに座ると、
うつむいてポロポロと泣き始めた。
「〜っ ふ っ ぅ っ
〜っ んっ んん、 っ 」
「、 、 、 、、。」
「 んんっ 〜っ 〜っ
ふ 〜っ っ ぅっ 」
「、 、、。」
「俺に、言いたい事あるんでしょ?
ちゃんと言って。」
「ふ、 ぅうっ、 、
〜っ っ っ〜っ
ゆかちゃんの所に 〜っ
戻るの ? 〜っ ぅ っ 」
「、、、。 戻らない。」
「 でも、 〜っ っ ふうっ
戻りたい ? 〜っ」
「ちづちゃんと、居たいよ。
後は?
あるよね? 言いたい事、、。」
「〜っ ぅっ なんで ?
じゃあ 〜っ なんで
2人っきりに なったの!? 」
「うん、、。 ごめん。」
「 〜っ ぅ っ ふぅっ
私、、っ タクミ君に
〜っ無理して、ほしくない 〜っ
困らせたく、、ない 〜っ 」
「、、俺はね、
それが嫌なの。」
「〜っ ? 、 、」
「ちづちゃんの事、好きだよ。
だけど、その考え、、、
困らせたくないってゆーのが
嫌なんだよね。」
「 〜っ 、、 うっ、 、」
「俺の事、、殴ったっていいから
ちゃんと、、、言ってよ。 」
「、 、 〜っ んっ 」
「じゃないと
寂しい から、 、」
『追いつめないであげたら?』
健
俺には それ
無理だわ
ちづちゃんに だけは
それ 出来ないみたい