健の告白-3
2人は電車に乗る。
2つめの駅、
T駅には10分ほどで到着する。
ここの駅で下車する人の数は多く、
2人も人の流れの群れの中
電車を降りようとする。
その時、健が呟く。
「タクミ、、
じゃあ、あの事知ってんの?」
「? あの事?」
「常盤さんの元カレ。
ストーカー男に、、
された事。」
「、、え?」
ちづちゃんの元カレ?
鼻血を言われた彼には
フラれてるよな
その後の 彼氏 ?
「知らない。え、健知ってんの?」
「ぁーー、、 そっか。」
「何されたの?」
「、 、、、。」
「健。」
「まぁ、、うん。
でも過去の事、、だけど。
、、、。
俺の口から言っていいものか、、」
「 、、何? それ。
そんな重たい話なの?」
「重たいっつーか、、。
まー、、うん。 」
「教えて。」
「、、、、。」
「そこ、座ろ。」
「、、、ん、。」
2人はホームの中にあるベンチに
座った。
健が口を開く。
「常盤さんの元彼、凄い、、
束縛してくる人だったみたいで。
常盤さんも気持ち離れてたから、
俺の姉ちゃんも『早く別れな』
みたいに言ってて。」
「うん。」
「常盤さん、
別れを告げたんだけど、、。」
「、、別れてくれなかった。」
「そう、、。
なんか常盤さんの事
脅したりしたらしくって、、。
どんどん
エスカレートしちゃって。
いよいよ警察に相談した方が、
って話になって、、、。」
「うん。」
「、 、、、。」
「 ? 健?」
「ぁーー、、ごめん。
、、、朝、店に
FAXで、、。
写真、みたいなの届いて。」
「写真? 誰の、」
「常盤さんの。
結構、その、、。
際どい写真とか。
しかも、結構な数で。」
「 っ 、、。」
「あと、文章。」
「、、文?」
「なんか、
常盤さんの悪口?だったのかな。
内容は、、
俺も詳しく聞いてないけど。」
「、 、、。」
「朝にそういう事があって。
店の、マネージャー?っつうの?
上司には
色々問い詰められたみたい。」
「、 、 、、。」
「、、まぁ、そういう 事。」
「、、 、 、。」
「、、タクミ?」
「 んっ?」
「大丈夫?」
「んーー? うん。
いや、、まぁ、かなりの衝撃、、。
でも、それで事は治まったのかな。」
「なんか警察に、、って
話を相手にしたら
治まったみたいだけど。
警察沙汰とかは、
さすがに怖れたんじゃない?」
「どんな男だったんだろ。」
「んーと、確か、、。
旅行会社に勤めてる人って
言ってたな。 」
「 そっか。
っはーー、、、。」
「うん、、。」
「、、、。
泣いたかな。」
「 え?」
「ちづちゃん。
すぐ泣くから、、。」
「、、、。なんか 」
「 ん?」
「違う人の話、してるみたい。」
「? 違う人?」
「俺が姉ちゃんから聞く常盤さんと、
タクミのちづちゃん。」
「 え?」
「常盤さんは泣くどころか、、。
周りに謝りつくして
冷静に後始末したらしいから。」
「、 、ぇ?」
「姉ちゃん言ってたから覚えてる。
『私なら泣いちゃうと思う。
ちづるは冷静すぎる。』 って。」
「、 、 、、。」
「すぐ泣くの?
タクミのちづちゃんは。」
「、、言うなって。」
「 ふふ、っ 、、
それだけタクミに
気持ちを許してるのかもねー。」
「、 、、。」
「まぁ、だから、
あんまり追いつめないであげたら?」
「、 、 、、。」
「って、余計なお世話か。」
「まぁ、、ね。」
「えー、、酷い。
これでも心配してんのに。」
「それは、どーも。」
「 行こっか?」
「、 、ん、」
2人は、歩き出した。
タクミがぽつりと呟く。
「、、知ってんじゃん。」
「ん? 何が?」
「、、、前に俺、ちづ、、
常盤さんの事教えてって
健に言ったろ?」
「ぁーー、 そうだっけ?」
「、 、、。」
こいつ
なんか
「、、、大人だね。」
「タクミ君もー、
大人になりなさい。
、、あんま、
ワガママ言っちゃ駄目よ?」
「、 、 、、結婚は、」
「んーー?」
「諦めない。」
「、っ ふふっ
なんかタクミが真剣に言うのって、」
「、、何?」
「冗談に聞こえる。
その真顔やめてよーー。」
「、、、。だからちづちゃんは
聞いてくれないのか。」
「ははっ、、かもねーー。」
タクミは
大きくため息をついた。