健の告白-2
タクミは絶句している。
健が心配そうにタクミの顔を
覗きこむ。
タクミが言う。
「っ、はーー、、ちょっと、
俺、、、」
「 ん?」
「座って、いい?」
「もちろん。ドーゾ。」
「、 、、、。」
タクミは、
駅のホームに設置してある
ベンチに学生鞄をドサッと置いて
座る。
腕を組んでうつむきながら、
大きくため息をつく。
うつむいたまま落ち込んでいる様子だ。
健はさほどタクミを
気に止めてない様子で
「電車、今日遅いねー。」
と、タクミに言う。
しばらく考えた後に
タクミが言う。
「、、ねぇ、健さぁ、、。」
「んっ?」
「今日、
愚痴聞いてって言ってたよね?」
「 ? うん。」
「、、それだけだった?」
「それだけって?」
「ちづちゃんの事。
言おうとしてたんじゃないの?
最初から。」
「 ぇ? なんて?」
「だから、、 っ 」
「へーー。
ちづちゃんって呼んでるんだー。」
「〜っ! 常盤さんの事、
最初から聞こうとしてたんだろ!?」
「えー? 違うよー。
まぁーー、、うん。
言えるタイミングあれば、
言っちゃおーかなーって
思ってたけどね。
ちづちゃんの事。 」
「、、ちづちゃん、言うな。」
「ふふっ、 ウケる。
でもー、ここまでタクミが
動揺するとは。
予想外デーース。」
健がテレビのCMにありそうな口調で
冗談のように言ったが、
タクミには笑う余裕はなかった。
健が言う。
「なんでそんなに動揺してんの?
まぁ、凄いトコに手を出すなーとは
ぶっちゃけ、思ったけど。
タクミは昔も結婚してる人と
関係持ってた時あったじゃん。」
「、 、 、、。」
「 ?」
「、、、。」
「、、。本当遅いねー、電車。」
健はそう言うと、
タクミの隣に座った。
タクミは地面を見て呟く。
「違うんだよ、、、。」
「? 何が?」
「ちづちゃんは、、。
なんか、違うってゆーか。」
「 ?」
「なんつーか、さぁ、、
人妻だって束縛とか、
してくんだよ!
タクミ君、今どこ?今日の予定は?
え、それ聞いてない とか!
言うだろ? 普通!」
「っ ?
ぇーーと、 、はい。」
「お前の直美ちゃんだって、
そうだろ?
それが、普通なんだよ。
大なり小なり、
それをするのが普通なの!」
「、 、 、、、はい。」
「なのに な !?
ちづちゃんは、全然っ 〜っ
ないんだよ、そーゆーの。
それなのに、、〜っ
隙は多いし、鈍感だしっ。
大人のくせに
色々慣れてないし 鼻、、
ぁ 。 」
「花?」
「 っ はな し だって、、。
聞いて、、、くれないし。」
「話? なんの??」
「結婚してって、
言ってんのに、、。」
「 っ は!!?」
「全然、聞いてくれねーし。
なんか、通じてない感じ。」
「ちょっと待って!
なんで?
どーして結婚なの?」
「 え?」
「今、タクミ、、
っつーか、俺もだけど、
何歳だと思ってんの?」
「、、18。今年19。」
「専門っ! 行きますよね!?」
「、、行くよ。」
何故 急に敬語 。
「や、専門は、、関係ないか、
いや!〜っ あるよ ?
あれ? なんか俺がパニック!」
「、、うん。
落ち着いて?」
「常盤さんは
なんて言ってんの!?」
「、、だから。話聞いてくれない。
なんか、、
今だけでしょ、とか
思ってんじゃねーの?」
「、 、 、、うん。」
「 っ、はーーーー。」
「、、 、。
タクミ、、それ、」
「 ん?」
「可哀想。」
「はーー。
やっぱり?
俺、、可哀想だよねーー。」
「 は?
違うよ。
常盤さんが、可哀想。」
「、、、なんでだよ。」
「、、普通に考えてみ?
常盤さんがこの先、
離婚したとしても
18歳の、、ぁ19歳?の男に
結婚してって言われるとか、、。
ねぇ?」
「? 何が?」
「信用出来ないでしょ。普通。」
「、 、、、。」
「や、今はいいかもしれないけど、
5年? いや3年先とか考えてみ?
、、、ぶっちゃけ
もったいない じゃん。」
「 もったいない?」
「タクミは、その、、
モテる方だし。」
「、、、。」
「常盤さんも、
そういうの感じてると思うよ?
だから可哀想って言ったの。」
「、 、 、、、。」
『 年上はやめときなね。
相手が可哀想だから。 』
あいつも 言ってたな
「あ、電車きた。」
「、 、 、、。」
可哀想 ?
、 、 、違う
絶対に
俺のが 可哀想だ
この先
何度気持ちを伝えても
今までみたく
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