健の告白-1
2人はコンビニを出て、駅に行く。
改札を通り階段を上がり
いつものようにホームに行く。
2月だが夕焼けが暖かい。
2人はホームで日陰に入らず、
日の当たる場所に立ち、暖を取る。
なんとなく2人とも何も言わず
夕焼けを眺めていた。
健が言う。
「ねぇ、タクミ。」
「 ん？」
「、、、常盤さんなの？」
「 ぇ っ 」
「タクミの彼女。
常盤さんでしょ？」
「、 、 、 、、、。」
ぇ ？
なんで
いつ ？
いつ バレた ？
「当たりっしょー？
っつーか、、ふふっ、
凄い顔、、〜っ 」
「〜っ 、 、、なんで、 っ」
「？」
「なんで 分かった？」
「んーー？
いや、家にビールがあってさぁ。」
「 ？」
「ビールが3本、置いてあってさー。
リビングに。」
健の話はこうだった。
＊＊＊
火曜日の夜。
健は家のリビングで
テレビを見ていた。
健の姉、知可子が帰宅すると、
ビニール袋に入ったビールと
メッセージカードをリビングの
テーブルに置いた。
知可子は「風呂行ってくるー。」
と行ってリビングを出る。
しばらくして健は、
飲み物を取りに冷蔵庫まで行く。
何気なくテーブルの上に置いてある
カードを見ると、
こう書いてある。
【知可子♪
こないだはワインありがとーね！
週末に箱根に行ったお土産〜♪
限定のビールらしいよ。
また、近いうちに飲もうね！
ちづるより(^з^) 】
「、、。
箱根、、？ 」
ん ？
週末って 先週末？
んーー？ と ？
『、 、、、１泊旅行。』
『箱根まで行くらしいんだけど』
あら ？
いや いやいや
まさか ね
ない でしょ
、 、 、 、、。
あ れ？
でも そういや前に
タクミ
『 、、ね、常盤さんの事
もうちょっと教えてよ。
あの人、 、 ほら
あれなんだよ。
変わり者で、
この団地で結構有名なんだよ。
決まった曜日じゃない日に
生ゴミ捨てたり。
夜中に凄い騒いだり、、。』
『俺、隣だからさ！
ちょっと怖くて。
ね、あと何知ってる！？』
『常盤さんちじゃ、
なかったよ。』
「、 、 、ぇーー？」
これは っ ！
もーーー
100% ？
っつーか 相変わらず
すっごいトコに
手を出すなぁ タクミ
健がそんな事を考えていると、
風呂上がりの知可子が
パジャマ姿て頭を拭きながら
リビングのドアを開けて来た。
「っ ぁーー、、
今日も疲れたーー
ぁーー、、ビール、
冷やしときゃよかったなー。」
「オヤジか、お前は。
ねぇ、常盤さんに会ったの？」
「うん。
お店にこれ、届けてくれた。」
「そう、、。
常盤さん、旅行に行ったんだー。」
「ん？ そーみたいねー。」
「１泊旅行。」
「ん？」
「、、職場の人と。」
「ん？ ？？
何？ 推測してんの？」
「きっと、男も一緒。」
「ちょっとー！
キモいんですけど！
、、あのね？
アンタにちづるは無理だから！」
「、、ぇっ？ 何？」
「年を考えなさいね？
ちづるは！
今、彼氏いるっぽいから！」
「、、え？ 彼氏？
常盤さんがいるって言ってたの？」
「言ってはないけど。
分かるのよ。
だから、アンタには無理っ！
いや、いなくても無理っ！」
「なんで分かるの？」
「分かるのよ。
なんてゆーか、、、
肌のツヤ？ みたいのが
とにかく、出てんのよ。
子供に説明すんのはー、
ちょっと難しいわ。」
「、 、 、、。」
「、、、。
アンタ、
常盤さん結婚してんのにーとか、
思ったんじゃない？」
「、、んーー、まぁ 少し。
でも旦那さん、女居るんだよね？」
「そーそー。
大人はねぇ、、色々あんのよ。
だからちづるも
彼氏出来て良かったんじゃない？
って思っちゃうわ。アタシ。」
「ふーーん、、そっ か。」
「だから、やめときなさい。ね？」
「 ん？ 何が？？」
「はーー、いいや。もう。
私、寝るね、、。」
「うん、、。
おやすみー。」
知可子は出ていった。
健はメッセージカードを持つと
それをじっと見て
ニヤっと笑い、呟く。
「秘密の彼女ーー。
発見しちゃったー、、、。」
＊＊＊
タクミは、
健の話を聞いて絶句した。