物語の感想-3
「ねぇ。
星の王子さまって、
読んだ事ある?」
「え?」
下校中に突然、
タクミはそう健に聞いた。
健は考えてから答える。
「っんーー? 星の、、?
ない、かなー。
どういう話?」
「バラが出てくる話。」
「薔薇? あー、、
野獣も出てくる?」
「、、それ、美女と野獣。」
「じゃーやっぱり、、ない。」
「そっか。
まぁ児童書だからなー。」
「なんで?」
「いや、ちょっと。
簡単な話なのか難しい話なのか
聞いてみたかっただけ。」
「? ふーん。
あ、そういや俺、、、」
「ん?」
「ちょっと直美とは、
距離を置くことにした。」
「 へーー。」
「なんか、いっつも俺の事
疑ってばっかなんだもん。
むこうのが、、辛そうだったし。」
「ほーー。」
「ノド乾いた。
ねー、タクミ今からバイト?」
「ん? 今日は休み。」
「じゃー、コーヒー奢るから
ちょっと愚痴聞いてよ。」
「 ふっ、、 いいよ。」
2人は学校の最寄り駅近くの
コンビニに寄り、
健が缶コーヒーを2本買う。
そのコンビニには6人ほど利用出来る
小さな飲食スペースがある。
誰も利用していないその場所に
2人は腰かける。
座った場所から外の景色が見える。
2人は下校中の生徒や
サラリーマンを眺めながら
話をしていた。
健の話によると
直美とはデートも何回かしていて、
身体の関係もある。
だが健は、直美の気性が
荒いように感じていた。
何かある度に自分の事を疑ってくる。
健は自分の事を疑ってくる事も
確かに辛かったが、
なにより直美の方が辛そうに見えた。
話を聞いて、タクミは呟く。
「でも、、まぁ、
愛されてる証拠だよね、それ。」
「んー、、? まぁ ね。」
「別れるの?」
「分かんない。
俺は、、好きだけど。」
「そっか。
好きだけど距離を置くとか、、。
結構ツラいねーー。」
「、、ぇえ。ツラいっす。」
「タクミは?
大丈夫だった?」
「? 何が?」
「こないだ由佳、来たじゃん。
揉めなかった?彼女と。」
「ぁーー、うん。」
「あ、由佳来た事
彼女は知らない とか?」
「、、んーん。知ってる。」
「え?」
「いるか聞かれて、
いるって言ったから。」
「、、へーー、、、。」
「、 、 、、。」
2人は少しの間、沈黙する。
健が言う。
「まぁ、揉めなかったなら
良かったじゃん。」
「、、、俺 」
「 ?」
「愛されてんのかな、、。」
「、 、 、、。」
「だって、普通、、
言ってくるじゃん。
もっと、うるさい位に、、
女って。 」
「まーー、、 うん。
でもー、人によるんじゃない?」
「、、かなぁ?
っ はーー、、。」
「 、、ふふっ、 」
「、、 何?」
「やっぱり、逆だねぇ。
いつもと。」
「、 、 、 、、。」
「見てみたいわー。
タクミの今の彼女。」
「、 、、、もぅ、 」
見てるよ
健は
「 ?」
「、、。なんでもない。」
「、、、。
そろそろ行こっか?」