梅の木-1
セックスが終わると、
ちづるは眠そうな目になる。
タクミはちづるの拘束を取り、
ティッシュでアソコを拭くと、
パンツとズボンを履かせてあげた。
そのまま、
ソファーの上で寝てしまったちづるに、
タクミは隣の部屋から掛け布団を
もってきて掛けてあげた。
そのあと、
ちづるの隣にタクミも横になる。
ちづるの寝顔を見ながら
少しの間考え事をしていたが、
しばらくすると眠りに落ちた。
朝になった。
月曜日。
ちづるは5:30頃ふと、目を覚ます。
隣にタクミが眠っている。
寝顔がかわいいな、と思いながら
しばらく見つめる。
その後、そっとソファーから降りて
トイレに行く。
洗濯機をかけようとしたが、
まだ早いような気がしてやめた。
キッチンに戻り、やかんに火をかける。
コーヒーを入れると外の天気を
眺めながらそれを飲む。
外は晴れていて、
市営住宅の2階から
1階の共用スペースの庭の
つぼみのついた梅の木を眺める。
ちづるはじっとそれを眺めながら、
隆史の事を思い出そうとしていた。
出逢い。
愛し合い方。
2人の会話。
何を思い出しても、
今のタクミへの気持ちより
相手への気持ちは下回る気がする。
自分がタクミに溺れている事を
実感する。
泣き出したいような気持ちになる。
窓の近くに立ったまま振り向き、
今度はタクミを眺める。
タクミは、
気持ちよさそうに両手を上にあげて、
ばんざいをしている体勢で寝ている。
見ていると
泣き出したい気持ちは治まり
かわりに、
温かい気持ちになってくる。
「、 、 、やっぱり、」
『男の子』 だよね
『男の人』じゃない
なんか もっと
タクミ君が
悪い人でも 良かったのに
そしたら
傷つけたって
傷つけられたって
どうせ 遊びだったし とか
逃げられるのに
、 、 、、。
って、
早朝から 最低な女に
「、、、なってみました。
ふふ、、 」
タクミ君は本当に
優しいし
いい男、、 の子
だから タクミ君が
これから
「 ぁ、。 」
起きた
「、 、、おはよう、、。」
「おはよう。
ふふっ、 、 」
「 ぇ?」
「タクミ君、すっごい寝癖。
爆発したみたい。」
「 ぇーーー?
、 、、まだ6時前じゃん。
早起きだねー。」
「ん? うん。」
「、、トイレ 、」
「、 、 、、。」
タクミ君が 別れたくなったら
すんなり 別れてあげなきゃ
「 ぁ、、俺もコーヒー
欲しーー。」
「 うん。入れるね。
洗濯しなきゃー。
今日も仕事、頑張ろっ! 」
「、、、朝から元気だねぇ。」
「ふふっ、 まぁね。」
だからその日まで
大事に 過ごそう