ただいま-3
タクミが言う。
「なんか女の人が
好きそうな話だね。」
「そうだね。
どちらかというと女の人向けかも。
私は共感出来ないけど、
お話の雰囲気は好き、かな。
冷たいのかなぁ? 私。」
「んー、、、冷たいんじゃなくて、」
「 ?」
「お子ちゃまなんじゃない?」
「え?、、、大人なら、
理解出来るって事?」
「まぁ、読んでないから
分からないけど。
そんな気がする。」
「、、、そーかなー。
じゃあ、、
今度、機会があったら読んでみて。
で、読んだら感想聞かせて。」
「うん。
まぁ俺は、
理解出来ると思うけどー。」
「、、、なんか、
もう負けた気分。」
2人は笑った。
それから紅茶を飲んでお喋りをする。
ちづるがお風呂の用意をして、
先にタクミが入った。
ちづるは、部屋の片付けと
布団の用意をして、タクミが
風呂からあがると自分が入る。
40分ほどで風呂からあがると、
パジャマを着て髪をドライヤーで
乾かす。
タクミは、ソファーに座り
テレビを見ていた。
するとテーブルの上に置いてある
ちづるのスマホがバイブレーションを
始めた。
タクミがちづるに声をかける。
「あ、
電話だよー!」
「 ? 何か言ったー?」
ドライヤーをかけているちづるは、
タクミが何と言ったのかは
聞き取れなかった。
タクミは、
ちづるにスマホを
持っていってあげようと
スマホを持つ。
「 、ん?」
スマホはバイブレーションを
続けている。
画面には【吉川さん】と出ている。
「、 、、。」
は ?
なんで ?
タクミはちづるの元へ行く。
ちづるの顔の前にスマホを差し出すと
不機嫌そうに無表情でこう言った。
「電話だよ。
吉川さんから。」
「 ぇ? あ、、うん 」
「、 、 、、、。」
「、、ありがと。」
ちづるは
少し気まずそうに
ドライヤーを切るとスマホを受け取り
電話に出る。
話ながら寝室へ行く。
「もしもし ?
あ、はい、 、
ええ、着きました 」
「、 、 、、。」
タクミは不機嫌そうにソファーに
座るとテレビ画面を睨みつけながら、
ちづるの声に耳を傾ける。
ちづるは電話で
しきりにお礼を言っていた。
その後、
「大丈夫です」と、吉川に伝えている。
一体何が大丈夫なのか。
タクミは苛立ちながら考える。
電話は、10分ほどで終わった。
10分という時間もタクミには
長く感じ、ますます苛立ちは募った。
ちづるが、
電話を終えて戻ってきた。
タクミの隣に座りながら、
様子を伺うように声をかける。