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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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週末-7

タクミは友達のいる
106号室の部屋に戻った。
部屋のドアを開けると、
曲はかかっていない。

タクミが皆に向かって言う。

「ただいまー。」

「お帰りー。
 、 、、疲れた?」

健が冗談まじりに言う。

タクミは
冗談の中に心配してくれている
気持ちがある事を感じとる。
他の友達も、
なんとなくタクミと由佳の事が
気になっている様子だった。

「うん。 疲れた。」

「結構長く話してたね。
由佳は? 帰ったの?」

「んー? うん。
カラオケしたいか聞いたんだけど。
怒って帰っちゃった。」

「そっか。」

それを聞いていた真由美が、
手を顔の前で合わせながら
タクミに謝る。

「ほんっとー! ごめん!!
私が、、
いるって言っちゃったから、、」

「真由美のせいじゃないよ。
カラオケあるのは元々、
知ってたんでしょ?
話聞くって決めたのも俺なんだから。」

「でも、、 」

「駄目。
 次謝ったら、、 、」

「?」

「襲うよ。」

「え!? 〜っ、、 
     、、、。」

それを聞いていた
真由美の隣に座る女友達が言う。

「今! 襲われてもいいって
思ったっしょ!?」

「ちょっと! 思ってないから!
いや、ちょっとは思った?かも、
 一瞬!! 一瞬ね! 」

「ウケんだけどー!!」


その会話に皆が笑った。

それから7人は、
またカラオケを楽しんだ。
しばらくして、
友達の歌を聞きながらタクミは
ポケットからスマホを取りだし、
ラインの画面を開く。

ちづるからメッセージが届いていた。

【浴衣、着たよ(*^^*)
お料理おいし〜♪】

メッセージと共に
写真が添付されている。
ピンクの浴衣を着たちづるが、
料理皿の小鉢を持っている。

広そうな和室で料理全体も
写真に写っている。
ちづる隣にはビールグラスを持った
女の人が満面の笑みで
ピースをしている。

30代ぐらいのその女性は
ちづるとの距離が近く、
肩をよせて親しげに見えた。

「、 、、、。」

  楽しそう

  、 、 、、。


メッセージがきた時間は
8時すぎだった。
今の時間は9時だ。
タクミは返信を送る。

【楽しそうだね。
お酒もいっぱい飲んだんでしょー?】

そう送ったが既読がつかない。
きっとまだ宴会中なのかな、
とタクミは思う。

タクミはスマホをポケットにしまうと
画面を見て恭介の歌声を聴く。
ふと、真由美達の顔を見て、
由佳の言葉を思い出す。

「、 、、。」

 なんか ちょっと
     傷ついたかも

  りさちゃんの事 俺

 ちゃんと 好きだったのになぁ

「、、っ はーー。」

  平等? 

  平等って 
     なんだよ 

 健は健だし

   真由美は真由美

 同じじゃないのに


    平等? 


「、 、、 はー。
    分かんね。」

「 何が?」

恭介の歌っている曲は
穏やかなバラードだった。
タクミの隣にいる健が、
タクミの声を聞き取った。
タクミが言う。

「、、、俺って、、。
自分の事だけを
好きなように見える?」

「 え?」

「、、、。」

「由佳に、言われたの?」

「うん。」

 そういや昔 
  りさちゃんにも言われたな


「、、俺にはそう見えないよ。
 だって、俺は、、」

「 ?」

「ホモじゃないから。」

「、、 ふっ、 」

「可愛さあまって、憎さ100倍?
っちゅーやつですかねー。」

「そんな言葉だったっけ?」

「まぁ、タクミは、、
冷静な人に見えんのかもね。」

「 、、。 損ですね。」

「まーねー。」

「健は?
あの子、名前はーー、、、
 ぁ、。直美ちゃん。
  うまくいってるの?」

「、 、、ノーコメント。」

「あら。 そう。」

「、、 女ってさー、、。」

「ん?」

「強いからたまに、怖くない?
 あれは、、なんでなの?」

「 〜っ ふっ!! 
 ちょっ、、ウケんだけど 〜っ
  っつーか、本当そうだね。」

タクミはケラケラと笑う。

健もタクミにつられて笑った。


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