週末-4
タクミは自分の部屋に行き、
スウェットからGパンに履き替える。
スマホを手にして、
健からのラインのメッセージを
再び読む。
【カラオケ決行になったよ。
いつもの店ね。
っつーか、
真由美達と合流する形になったから
もう部屋に入ってる。】
タクミが返事を送る。
【分かった。
行くよー。】
【106号室にいる。】
了解、のスタンプを送り
黒いジャンパーを着る。
ラインの画面を見ても、ちづるから
メッセージは来ていない。
時計を見ると7時すぎだ。
「、 、、。」
夕飯中 かな
タクミは少し考えてから、
ちづるにメッセージを送る。
【浴衣、着た?】
そう送ると
財布とスマホをバッグに入れて
家を出た。
駐輪場から自転車に乗り、
カラオケ店へ向かう。
走り出してすぐに空を見上げると
星が出ていた。
目を細めて星を見上げながら
独り言を言う。
「、、さっ ぶぃ、、 」
自転車をこぎながら、
母親が言ってた言葉を思い出す。
『年上ってだけで、
不利なんだから。』
不利。
2人の世界で立場が弱い方
俺達も そうなのかな
でも 俺、 、、
全然 有利な感じ
しないんですけど
そういや健に言われた
『いつもと逆だね。』
、 、 、、。
もっと
ちづちゃんが
束縛とか 焼きもち焼いたり
してくれたら
俺は安心 出来るのか?
有利に
なれんのか?
タクミはそんな事を考えながら
自転車をこいでいた。
10分ほどでカラオケ店へ着いた。