イリーナ=ドンブロフスカヤ-3
「私はいつも見ていたのだが、誠くんは畑の虫を殺さないね。蚊も蟻も殺さないだろう。」
「すみません。できないんです。」
「いや、畑にいろいろな虫がいたら作物がどうなるか、むしろ興味がある。虫でこれほどなら、恋人はどれだけ大事にされてるんだろうね。」
ドンブロフスキーさんはにこりとしてそう言った。
「女の子と話したこと、ほとんど無いんで、彼女、いたことないです。」
「そうかね。」
僕に女の子の世話が回ってきた訳を思い巡らしていたら、ドンブロフスキーさんとのこの会話に思い当たった。
布団を捲ってみて驚いた。汗で寝巻きの色が全体黄ばんでいた。ズボンは穿いていず、おむつだったが、そこから漏れていた。ドンブロフスキーさんには悪いけれど、虐待だと言われても仕方ない有様だった。いつから服を着たままなのだろう。
「脱がせていい? 全部替えないと。」
イーラは目つきを鋭くして
「いいとか悪いとか、あたしに何ができる?」
「風呂に入ろう。」
この部屋はイーラのために造ったらしく、周りには何でもあった。僕は隣の部屋のユニットバスの準備にかかった。
まず僕が裸になった。辛かったが、パンツも脱いだ。僕は女性と体の関係を持ったこともなかったし、見たことも見られたこともなかったので、とても恥ずかしかった。
イーラのほうも男の体は初めてだったらしい。頬を真っ赤にしながら僕の裸の腰を目で追っているのに僕は気づいていた。
わざとイーラの近くに腰を寄せて言った。
「おむつ、取るからね。」
「いいから早くして。」
僕の腰を見つめるイーラの喉で、唾を飲み込む音が聞こえた。
おむつを外して脚を上げさせ、汚れた尻の周りから拭いていったが、形よい桃色の肛門が動いたり、溝の中が赤くちらちら見えるのに興奮して堪らなくなった僕は、思わず、指で広げて女の子の作りをなぞってみた。
僕にとって、女の子に直に触れた最初の体験だった。 その間に起こった僕の体の変化をイーラは真近で眺めていた。大切な秘密が明かされていくような、期待と緊張、恐れが僕にあったけれども、イーラも全く同じだと、緑の瞳が語っていた。
イーラは何も言わず、非常に素直に、抱き上げられるままに任せた。
ざぶりと風呂に入った。僕はイーラを後ろ向きに凭れさせ、膝に乗せて抱いた。少し膨らんだ硬い胸が、僕の左の掌にちょうど当たっている。
「熱くない? 僕が入る風呂、いつも熱めらしいから。」
「感じないの。分かる場所もあるよ。そこは熱くない。」
イーラの髪が顔の前でひどくにおった。女の子のにおいだが、臭い。頭を洗ってやらなければならない。どうやって洗おうか。考えながらイーラの体をさすっていたら、僕は気持ちが抑えられなくなってきた。
どうしようもなく硬くなって上を向いた僕のところが、イーラの両脚の間から、生えたように出て見えた。
「ごめん。女の子、初めてなんだ。お尻のところが当たってると、落ち着いていられない。」
「あたしが触って分かるところってね、そこなの。それと胸。トイレも出すのはできるの。」
僕が指で触れるとニーナは動かしてみせた。
「そこ、気持ちいい。ほかが感じないから何倍も分かるの。もっと触って。あたし、楽しいこと無いんだもん。」
イーラは歓びを待てないふうだった。僕は手で触るのをやめた。におう金髪に鼻をうずめると、感じあうために、腰を差し込んだ。