第5章 木馬責め-6
第5章 木馬責め(6)
「ああっ……うぎいぃ……あはっ!……ああううぅっ……」
美弥は叫ぶというより、吠えているようだった。
「まだ、叫べるだけいいと思いなさい。痛みが分散するわ……新藤!……マンコだけじゃかわいそうだよ。……ほら、オッパイにもあれを付けてやりな。忘れているよ」
「そうでした。そうでした。……お嬢さん。今、もっと楽しませてあげるからね」
まず、美弥の左右の足首をそれぞれ木馬の鐙に縛り付けた。もうこれで馬からは落ちない。
ついで、天井から下がった鎖の先のフックを乳房のロープから外した。
そして美弥の身体のそばにきて、両乳首に手を伸ばした。美弥は股間の痛みで上体が小刻みに上下左右に揺れ動いている。
やっと掴んだ乳首をコリコリと揉み立てた。リズミカルに押しつぶすように、伸ばすように、回しながら揉み込んでいった。乳房が充血しているので、美弥の意志とは関係なく、乳首はカチカチに勃起していた。
「あら、こんなときでも、乳首をおっ立ててるの。……よっぽど男がほしかったのね。……でも、もっともっと、どんどん感じた方がいいわよ。塩は、おまえの下の口から垂らす涎で、だんだんと溶けていくからね。溶けると塩の角が無くなるから、擦れる痛みは今より少なくなるわよ.……だけど、代わりにジンジン滲みてくるわ。傷口にはズキズキと……」
新藤が弾力を楽しむかのように揉み続けている乳首は、指の中で弾けるように円筒形にピンと起きている。
「いやっ、止めてぇ……」
美弥は、新藤が手にしたものを見て大声を上げた。
男の手にはJの字形をした、釣り針があった。
十分大きくなっている乳首にそれを通そうというのだろうか。男の手が左の乳首をギュッと伸ばした。紫色の乳房が少し歪んだ。
片手で左の乳首の根元をしっかり押さえて、針を横にあてた。
「いやよ。……いやよ……やめてぇ……」
「へへへ。いくぜ」
「いやぁっ。……うぐぐぐっ……痛ぁいいっ……うううっ……ううっ……」
針は一気に乳首を横に貫いた。
「ああぅ。……あう!」
「よし。もう一回」
今度は反対側の乳首にも針が通った。
「うぎぃっ……」
美弥は肩でハアハアと息をしている。
両乳首を貫いた針にはナイロンの釣り糸がつけられ、その糸は、木馬の首の方に引っ張られた。そのため、美弥は乳首が前の方に引き伸ばされた。さらに糸は木馬の握り棒の上で左右を交差して、その先に重りが付けられた。
乳首がちぎれるのではないかと思わせるくらい伸びている。
「あ、痛たたたた。……ああっ」
新藤は美弥の首に首輪もはめた。そして首輪にロープを付けて、それを木馬の尻にくくりつけた。
美弥は乳房が前にひっぱられ、首は後ろにのけ反る形に固定された。手錠で括られた両手は、残っている美弥の股間の黒い繁茂の前で木馬に掴まっているのが精一杯だった。
「ああっ。……痛いぃ……」
美弥は、乳首と股間の痛みのために、全身が小刻みに震えていた。
そうとうの痛みなんだろうか。焦点の定まらない目で斜め上方を見て、時折白い歯が見える唇の端からは泡の混じった涎が垂れていた。
マヤはしっかり跨っていることを確かめるかのように、美弥の腰に手を添え、木馬の背にグリグリと押しつけた。
「うぎぃ、ひいっーっ……いいいっ……」
ジョリジョリと股間から塩で擦られる大きな音が聞こえる。
美弥は自分の体重が恨めしかった。
美弥の全身が苦しい姿勢と痛みで蠢き震えている。重苦しい汗ばんだうめき声で部屋が充満している。
「どう?苦しいでしょう。……ええっ?……あちこち大事なところが引っぱり出されているものね。……さあ、フィルムのありかを吐く気になったら教えてちょうだい」
「うううっ」
唇を噛みしめたまま、美弥は顔を横に振った。脂汗で髪の毛が頬に張り付いている。太股がプルプルと痙攣するように震えていた。
「そう。じゃあもう少し乗っててもらうわ。……すてきな乗馬を楽しむがいいわ。……それにしても、ずいぶんおつゆを出してるわね。塩が塊になって流れ落ちてるわ。男日照りが続いたのね。ほんとうに淫乱な女だこと……」
マヤは吐き捨てるようにいった。
「いいわ、塩でよく清めてあげるわ」
そう言って、木馬の尻に付いているスイッチをオンにした。
モーターの回転する音が聞こえてきた。
「うがぁっ。……きききっ。……ああ、つつつつぅぅ……」
ゴトゴトという音と共に、美弥の足首を固定してある鐙がゆっくりと自転車のペダルを漕ぐような円運動を始めた。
これにより、股間がまんべんなく木馬の背に押しつけられていく。
「そうそう、クリちゃんの皮も剥いてあげなくちゃね……忘れていたわ」
マヤはクリトリスの包皮を前の方に剥き上げ、戻らないように注射針で繁茂の下の皮膚に留めた。丸裸になった亀頭を摘まんで、しごいて、硬さを確かめた。
「あらら、こんな時でもちゃんと勃起してるのね。根元まで硬くなってるじゃない。……さあ、もっと良く感じるようにしてあげるわ」
真っ赤に充血した亀頭が塩にまみれていった。
「ひいいぃ。……うわぁっ……」
美弥は噛み締めている唇からも真っ赤な血が流れ出して、歯が赤く染まっていた。頬からあご、胸に血の混じった涎が垂れている。
十分もしないうちに、美弥の目がかすんできた。いつ終わるともしれない無限の痛みに何も考えられなくなった。時折目に入るマヤと男の顔が涙でかすんでいた。
(このまま死ぬのかも……)
木馬の表面の白いレザーにはピンクの筋がいくつも流れ、床に小さなたまりを作り始めた。
美弥はだんだん気が遠くなっていった。
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