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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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愛おしい彼-2

「ほらっ!もっと足を挙げて、前見て前っ!」
「ふんぬぅー。」

ビート板を両手で握りしめ、怯えた小動物のように自信なさげな顔で足をバタバタする。

「はぁはぁ。」
「もうちょっと胸張ってやった方が良いよ。」

そうアドバイスすると何を口にするでもなくもう一度板を握り泳ぎ出す彼。私もそれに
ついていく、そこから見える彼の真剣な横顔。

どうしてそこまでやれるのだろうか、最初にプール誘った時は実に嫌そうな顔してたのに
私も後で彼がカナズチなのに気づき別の場所に変更しようと思ったら、「行こうよ、プールにさっ」と。

一体どういう風の吹き回しなのだろう、本当に…、水が苦手でそれを克服したいだ何て。

そう思っていると元の場所に泳ぎ付き、彼も息を切らしており。

「ちょっと休憩しよっか?」
「……。」

苦痛の表情を浮かべ粗暴に首を縦に振る。


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