知らない言葉-1
それから3日後。
夜、いつものように2人は一緒にいる。
タクミはソファーに座り
テレビを見ている。
ちづるは、お皿洗いをしている。
お皿を洗い終え、
水道の水をキュッと止める。
キッチンに立ったまま、
ちづるはタクミの方を振り向き
話しかける。
「あ、ねぇ、、タクミ君 」
「んーー?」
タクミは
テレビでやっている
刑事ドラマを見ながら答える。
「こないだの、あれ、
言ってたやつって何だっけ?」
「 んー? こないだ?」
「あの、ポル、、 なんとか。
4文字のやつ。」
「 え?」
「 ポル ?? 」
「、、なんで?」
「 え? 」
タクミはちづるを見る。
「なんで知りたいの?」
「え、?
んーー っと、、
私の知らない言葉だったから。」
「、 、、。」
その時、やかんのお湯が沸いた。
ちづるは火を止める。
食後のコーヒーを入れながら言う。
「でー、、 なんだっけ?」
「知ってどーすんの?
スマホで検索でもすんの?」
「 え? あーー、、
んーー そっか。
調べたら出てくるよね、きっと。」
「、、で?」
「 え?」
ちづるはコーヒーを運ぶと
テーブルに置き、タクミの隣に座る。
「調べてオナニーすんの?」
「 えっ !?
ううん、っ
そうじゃなくてっ 、、
知らない言葉だったから、
教えて欲しかった だけ。」
「、、本当にーー?」
「 っ うん。」
「本当にそれだけーー?」
「ん、、
本当にっ! それだけだよ。」
「ふーーーん。」
嘘だな
「あの、、 それで ?」
「、、教えたくなーい。」
「 え? なんで?」
「、 、、。」
ポルチオオナニーなんて
覚えたら
絶対にちづちゃんは ハマる
「 ? 」
「あれはねー、、
自分でやらない方がいいよ。」
「 え?」
「ちょっとねー。
エッチの中でも
上級者向けってゆーかーー。
自分でやったら、
傷つけちゃうかもしれないし。
あ、ナカをね。」
「、! そーなの?
、 、 、、。」
「、 、、。」
えーーー ?
オナニー否定しないの?
「、、難しい みたいな事?
ぁ っ!
って、私はしないけど! 」
「、 、、。」
否定 遅っ っ 。
「、 、、でも、
やっぱり名前? くらいは
知りた
「そんなに良かったなら
俺が、またしてあげるよ。」
い。 ぇ、、 ?」
「ね ?」
「ん 、 、、うん。
ありがと。
でも、知りた
「それよりさー、、」
いかも。 え? 」
「ボルシチ。 食いたい。」
「、え?」
「俺、ボルシチ食ったことない。
食いたい。」
「、、ん、。
じゃあ、明日にでも作る。
だから 、」
「なんだろーねーー?
俺ももう忘れちゃったよ。
4文字のやつ。」
「、 、、、。
なんで教えてくれないの?」
「なんでそんなに知りたいの?
ちょーー必死ーー。」
「必死じゃないよ。
、、でも、いいよ、もう。
調べれば出てくると思うし。」
「、 、 、、ふーん。」
ポルチオ オナニー
阻止 。
「そこ一人で弄ると、
本当にナカ、傷つけちゃうからね?」
「、 、、ぇ?」
「調べてみなよ。
本当に上級者のテク必要なんだよ?
あれ。
あー、、でも上級者テクは
必要ってのは書いてあっても、
傷つけちゃうって書いてある
ホームページは、まだ少ないかも。」
「、 、、 。」
本当 かな
オナニーでアソコを
傷つけちゃう、 とか
聞いた事ないけど
「だから、俺がしてあげる。
ね ?」
「、 、、 。」
なんか タクミ君が言うのって
説得力ある
なんでだろ
「だって、俺は、、 ほら 」
「?」
「 〜っ、 、
プロの人だから 。」
「 、! 」
え!! ?
プロじゃないって
こないだ言ったのに
本当は プロなの ?
、 、 、? あれ?
プロって なんの??
アダルト業界に
携わっている 人 ?
ホームページは まだ少ない、、?
パソコン使って
エッチな情報を取り扱ったり
とか !?
「、 、、、。」
ちづるの大きな目が
驚きを隠せないまま、
タクミを見つめている。
タクミはテレビに視線を戻した。
テレビでは刑事ドラマの
クライマックス、
犯人が捕まるシーンだった。
タクミは、拳を握りしめて
それを口にぐっと当てる。
ちづるは
ドラマに集中している
タクミの横顔を見つめる。
本当は、自分の事が可笑しくて
笑いを堪えているとは、
想像もつかないちづるだった。