旅行-1
「旅行？」
「うん。」
「え、じゃあ社員旅行？」
「あ、ううん、
職場の人とだけど、
社員旅行ではないんだ。
行きたい人が行く、みたいな。」
夕食後。
茶色のソファーに座り
タクミとちづるは紅茶を飲みながら
そんな話をしていた。
夕飯前にお風呂も済ませ、
もうパジャマ姿だ。
2月の下旬。
ちづるは週末に一泊で
箱根へ旅行に行く事をタクミに話す。
話によると、
ちづるの職場では1年に2回ほど
一泊で旅行に行くのが
ここ数年の恒例行事になってる、
との事だった。
タクミが少し考えてから話す。
「でも皆で行っちゃったらお店は？」
「うん、もちろん営業するよ。
だから2グループに分かれて行くの。
冬のグループと秋のグループ、、
みたいな。
店長は秋に行くらしいんだけど、
私はお昼に一緒に働いてる人に
冬のに行こうって誘われたから。」
「ふーーん。
なんか変わった職場だね。」
「そう？」
「だって自費で、でしょ？
あんま聞かないってゆーか。」
「そうだねぇ。
一泊で、結構近場とかだからかな。
行かない人ももちろん居るけど。
乗り気の人のが多い感じだよ。」
「へーー、、。 ぁっ！ 」
「？」
「何人で行くの！？」
「？
えーーと、確か5人？
あれ？ 6人かなぁ。」
「あいつは？」
「？ あいつ？」
「茶髪の！ チャラそうな！」
「、、？
ぁ、吉川さん？」
「来んの？」
「うん。」
「、 、 、、そーなんだ。」
「 ？
お土産、買ってくるね。」
「、、、 」
タクミは、少し責めるような目で
じっとちづるを見る。
近い距離で顔をじっと見た後に
視線を落とし全身を見る。
タクミの頭の中で、目の前にいる
ちづるが浴衣姿になる。
「、 、、っ はーー。
俺も行きたいなーー。」
「え？ 箱根へ？？
若い人が行って
楽しめるのかなぁ。
あ、でも温泉はあるみたい。」
「、、温泉 か。
はーーー。」
温泉入って
皆でビールとか飲みながら
ご飯食べて
あーーー、、
吉川
見るのか
温泉入った後の
ちづちゃんの浴衣姿
、 、 、っつーか
ちづちゃんに 酌とかさせたら
、 、 、 、。
どうしよう
「、、でも、いつか行きたいね。」
「 え？」
「、ん？ 旅行、、。」
「、、うん。 行きたい。
、、っつーか、 」
「？」
「気をつけて、行ってきてね。」
「うん。」
「、、意味分かってる？」
「ん？ えーーと、
道中に気をつけるし、 、」
あれ ？
なんかタクミ君
不機嫌？
あ、 。
さっきの、、 吉川さん ？
「ぁの、っ 吉川さんにも、、
いや、でも吉川さんとは何も
〜っ ってゆーか、吉川さんは
確か、結婚してて ！ 」
「 は？
そーゆー意味のじゃないんだけと。」
「 、、え？」
「鼻血とか、おねしょとか。
色々出ちゃわないよーに
気をつけてって事。」
「〜っ！？ っ 〜っ、」
「、 、 、、。」
ぉーー
みるみるうちに
顔 真っ赤。
「〜っ、、 、
っ おねしょは
した事、ありません。」
「、 、 、〜っ、ふふっ
う そーー。 冗談。
吉川さんに気をつけてね。」
「 〜っ、、 、
ん うん、、。」
「、 、、。」
っつーか 吉川だけじゃなく
男は何人 いるんだろ
聞きたい
けど
、 、、待て
ちづちゃんは
女が好きなんだよな
女は何人だ ？ ？
、 、 、、ぁーーー
もーーーー なんか
心配
「 ？ タクミ君？
どーしたの？？」
「、 、 、、。」
いや レズの人なんて
そうそう いないだろうけど
「？ ？？」
「じゃあ、今週はいっぱい
エッチしよーね？」
「え？ なんで？？」
？
？
「欲求不満で行ったら
良くないから、、、。」
いや でも待て
エッチいっぱいして
変なフェロモン出ちゃっても
危ない
「ん、、。
よく、分かんないけど、、。
うん。」
「いや、やっぱりしないで
行った方がいいかもね。」
「、へ？ ？ ？」
？
？？？