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離婚夫婦
【熟女/人妻 官能小説】

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若い女-1

 豊川が奈津美と初めて出会ったのは、とある飲食店だった。接待で使った店に在籍していて、自分たちの席に付いたのが奈津美だった。
 飲食店と言っても、要はキャバクラである。奈津美は「あんな」と言う源氏名だった。初回の対応が気に入ったので、以降、接待に使うたびに彼女を指名した。
 何度か通っているうちに、お互いそれとなく親密になっていった。気付けば、接待以外の日にも度々通うことになっていた。よくあるパターンだ。
 当然身体の関係に発展し、愛人関係になるまでそう時間が掛からなかったのは言うまでもない。
 奈津美は昼間はアパレル系の仕事をしているそうだが、それだけでは自分が思っている生活が出来ないらしい。夜の仕事はバイトだが、給料は夜の方が断然良い。
 年齢は25歳と、高卒10代が闊歩するこの業界では高齢の部類に入って来たと言ってもいい。中には30歳を超えてもキャバ嬢として頑張っている人もいるにはいるらしいが、それは珍しいケースで、23歳でも『ババァ』と罵られるという話もあるとか。
 そんな話を耳にすると、本人も、もうキャバクラでは厳しいと考えているようで、「次は熟女パブとか、スナックかなぁ」と悩むこともあるらしく、プライベートで会っていてもその手の話をする機会も多い。
 もちろん、昼間の仕事一本で生計が成り立てばよいが、昨今の就労事情を考えると、なかなかそういう訳にはいかない。今の生活を維持していくためには、夜の水商売は辞めることが出来ないと言う。

 そこそこの都市にあるキャバクラでも、キャバ嬢の年齢低下の波は押し寄せてきている。一昔前であれば、20代後半は何の問題も無く、30過ぎてからいじられると言ったイメージだった。
「そうなのよ。うちの店だって、平均年齢21,2歳だと思うよ。サバ読んでなければ」
 25歳を超えてからは、この手の愚痴が多い。
「どうして男って若い娘が好きなのかしら」
「最近はそんなことも無いだろう。熟女ブームだって言うし、40を超えたおばちゃんたちが人気あるって聞いたぞ」
「それは一部の男だけでしょ。一般的には、やっぱり若い娘の需要が高いのよ」
 世は空前の熟女ブーム。それも50歳を超えているぐらいからの人気が高いらしい。以前なら『おばさん好き』と言うと、白い目でとまでは言わないが変わった趣味とせせら笑われたはずなのだが、お笑い芸人がカミングアウトをしたのを機に、我も我もと熟女好きが声を上げ、今となっては市民権を得るまでのムーブメントを起こしている。
「熟女好きの中では、40代が好みだって言うと『ロリコン』扱いされるらしいぞ」
「だから、それは一部の人たちだけよ。少なくとも私の周りにいる男で、熟女好きなんて聞いたことないわ」
 どちらが真実なのだろうか。メディアに踊らされているだけなのだろうか。どこかの誰かが、『熟女ブーム』を巻き起こそうと、仕掛けたネタなのだろうか。
 そもそも奈津美の言う『周りの男たち』とは、奈津美が在籍するキャバクラに通う男たちのことであって、求めるものが違う。
「いつの時代も若い娘の方がいいのよ。男って」
 熟女を求めるなら、最初っから熟女系の店に行くに決まっている。若い娘を求めてくる客しか来ないのだから、そういう考えになっても仕方がない。
「とりあえず辞めろって言われるまでは今のところで働くつもりよ」

「今週は帰るの?」
「ああ、来週娘の面談があるんだ。小学校の。その辺の相談もあるから必ず帰ってこいってさ」
「ふ〜ん。で、するの?奥さんと」
「ははっ。もう何年も身体にさえ触れていないのに。いきなりしましょうっていう風にはならんだろ。そんなことしたら怪しまれるだけだよ」
 鼻で笑ってしまった。
 こういうことを聞いてくるとは、奈津美も豊川の夫婦仲を気にしているのだろうか。
「気になる?」
 そのものズバリ聞いてみた。
「う〜ん・・・気になると言えば気になるし、気にならないって言えばそうでもないし。ただどんな奥さんなのか見てはみたいかな」
「うちのカミさんを?」
「そう。どんな女の人と結婚したんだろうって。興味ある」
「奈津美の方がキレイだよ。お世辞とかじゃなくて。ルックスは間違いなく奈津美の方が上」
「ルックスはってことは、私の性格が悪いってこと?」
 少しムッとした感情を垣間見せる。サバサバとした性格で、あっけらかんとした所が奈津美の魅力だが、すぐに感情を顔に出すことも特徴だ。
「そういう意味じゃないよ。性格は人それぞれだし、相性だってある。同じ女性を、俺はイイと思っても、別の男は気に入らないってことはよくある話だ。そういう意味では、顔とかスタイルもそれぞれ好みってもんがある。ただ単純にキレイかどうかを比較したら、間違いなく奈津美の方がキレイだよ。恐らく10人中8人以上は奈津美に票を入れると思うね」
「例えが良くわからないけど、まあそういうことにしといてあげましょうか」
 こちらの言いたいことをどれだけ理解してくれたかは分からないが、少なくとも自分の方がキレイなんだと言うことで納得したようだ。
 奈津美は、身長165cmと女性にしてはまあ大きい方だ。ルックスも知的な美人タイプで、スレンダーなキレイ系。
 大概の男は、一度くらいは抱いてみたいと思うはずだ。
「でも帰ると、情が湧くんじゃないの?」
「ああ。単身赴任し始めの頃はそういう時期もあったけど。でも今はそんなこともない。逆に面倒くさいと思うことの方が多いんだよ」
 家族のためと思いながらも片道2時間の移動は、徐々に苦痛になってきていた。家を出る時に、後ろ髪を引かれることももう無くなっている。
「そのうち復縁とか・・・、あ、別れたわけじゃなかったね」
「祈ってるとか?」
「フフフっ、どうかしらね」
 悪戯っぽく笑った。
(俺との結婚を望んでいるのか!?)
 その笑みに誘われるかのように豊川は奈津美を押し倒した。


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