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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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「こんなことをしていたら、いつまでも満足な人生は送れないぞ。
次の職場では真摯に働け」

新田部長のその言葉にも重田さんは部長を睨みつけて去って行った。

「さて、ここ1時間の事は重田の事以外は記憶から抹消するから。
君たちも早く帰りなさい」

ため息をついて新田部長がそう言うと
「出てくるタイミング、バッチリでしたよ」
と紗江子ちゃんがウインクした。

その紗江子ちゃんにも新田部長はため息をついて
「武田さんも刑事ごっこはもうしないように。
こうなる前に経営管理に任せなさい」
そう言った。

私たち3人は、無言で企画部のパソコンと電気を落として
そっと会社から出た。

そこには司君がいて
「お疲れ」
と何もかも知っているような顔をして紗江子ちゃんを抱きしめた。

「帰ろう」
司君は疲れている紗江子ちゃんをしっかりと支えていた。
司君の腕の中で、紗江子ちゃんは安心したように
「私も今の1時間の記憶を消すわ」
と言って、タクシーに乗って帰って行った。




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