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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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-1


「重田さん・・・」

「俺は明日、明後日と予定されている本社とN.Y.の合同会議が終わったら帰国する」

帰国・・・
重田さんにとっては、もうN.Y.が拠点なんだね。

「それまでに決めてほしい」
「・・・・」
決めるって、何を?私がN.Y.に行くことを?

「それと1つ、お願いがあるんだ」
重田さんは、そっちが本題かのように話しだした。

「森川君のチームが今作ってる資料なんだけど。
半年前の作成資料の数字を3つ程変えてほしいんだ」

「え・・・・」

「あの部屋のパソコンは企画部の社員IDがないとログインできないだろ?」

何・・・?

「先日、N.Y.のチームで計算をもう一度したらちょっとしたミスが見つかったんだ」

・・・・・

「それを今更直すには半年前の資料だから色々不都合があってね」

・・・・・

「だから日本で作ったマスターファイルを直してほしいんだ」

なに・・・それ。

「大丈夫。上の人は細かい数字なんか覚えてないから
俺たちの方で上手く調整をしておくよ」

私にマスターファイルに不正ログインして数字を変えろ・・・って事?

私は自分の手が冷たくなるのが分かった。






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